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インタビュー 、大日本塗料 岩淺壽二郎社長

大日本塗料 代表取締役社長 岩淺壽二郎氏

商品代替戦略が軌道に

――平成28年3月期の業績に対する評価と29年3月期第1四半期および下半期の展望は。
 前期の1年間では、塗料需要はそんなに強くなかったと思います。ただ、ほかにカバーするものがあり、原材料価格が下がっていることもプラスの大きな要因です。最も、原料が値上がりした時でも製品の値上げをしなかったこともあって、値引きによる影響はあまりありませんでした。

――お客さんの方で、原材料高騰の際に製品の値上げがなかったのに、原材料安になったからといって値引き要求するのはどうかということだったのですか。

 そのようですね。数年前には原材料価格は上がっているのに数量は伸びない、値上げはできないので、少しでもいいから前年より売り上げを伸ばすことを目指しました。ズルズルと後退しないように努めました。
 数量は伸びないのに値上げはできないという中で、価格的に利益の少ないもの、低価格で量を確保するというものは、あまり力を入れても得られるものは少ない。労力をかけても利益が伸びませんから。


 ――資金や人手を使っても、どれだけのものが得られるかと。

 売り上げは伸びないけど、原材料価格が下がったことも連続して最高益を得られた要因です。原材料価格が下がったことで製品の値下げをするようなことはできるだけ避けた結果ですね。
 ただ、当社にとってポイントになる橋梁の塗り替え需要は停滞気味でした。塗り替え工事で発生した2件の首都高の火災事故が原因だったと考えられます。その安全対応策として水系塗料を試験施工され始めたのが今春くらいですから、全体的に潤うようなことがなく、低調でした。新設もそうは伸びなくて、足を引っ張ったような状態でした。しかし、値下げしてまで仕事を取りにいくようなことはしなかったので、原材料値下げの恩恵を値引きで失うような結果にはなりませんでした。
 増益の約半分は原材料価格が下がったことで、あとは製品構成を変えて、不採算のものはできるかぎり除外していき、それに代わる高付加価値製品を推奨していくようにしました。この代替戦略は軌道に乗り始めているところです。鉛など環境問題のからみもあって、多少の製品価格上昇もお客様は納得してくれましたこともあります。こうした高機能タイプへの製品構成の変更が増益理由の残り半分で、事実利益率の高い製品ですから、量が非常に多く出なくても、増益に貢献してくれました。


 ――今期第1四半期はいかがですか。

 この四半期は当社だけで見たら、前年同期の状況がまだ続いたという結果です。市場が落ち込む中、業績は落ちるかと見ていましたが、ほとんど落ちませんでした。前年の増益基調が続いている状態です。ボリュームがそんなに減らなかったので、品種構成の変化により利益を確保できたということです。


 ――利益が減っていないというのは、どういうことが理由に挙げられるでしょうか。

 建築汎用のような、いわゆるボリュームゾーンを当社は行っていないことだと思います。ですから量が多少減っても耐えられるのだと思います。コモディティ品から特殊品にシフトしたことが良い結果を生んでいると考えています。
 自動車でも、当社は乗用車のボディーはほとんどありません。バスやトラックは手掛けていますが、これは好調で、バスは海外からの旅行客の増加で生産が増えています。トラックも建設需要が旺盛で伸びています。需要が伸びていることで、製品を高付加価値製品に切り替えて多少値上げとなっても受け入れてもらえました。バスなどはフル生産体制に近い状況ですから。少し前までは、この部門は当社にとってあまり儲からない部分でしたが、今は状況が変わりました。タイミングよく高付加価値製品に切り替えられた格好です。


 ――バスやトラックはどういう車種が出ているのですか。

 バスは観光用ですね。トラックは建設現場用のダンプカーのほかに…

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『塗料報知』2016年9月17日号(4152号)掲載
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