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次マーケット向けた各社のアイテム①

2016.10.28

メンテナンスコスト低減 ロックペイント

優れた耐候性&低汚染

リフォーム市場ではさらなる耐候性を求め、フッ素系の塗料が注目を浴びる。次なるマーケットとして各社競争が激しくなってきている分野だ。  

ロックペイントは、この市場に、抜群の耐候性を持つ「サンフロンUV」の拡販に注力している。同製品は、低汚染弱溶剤2液型フッ素樹脂塗料で、塗り替え改修の間隔が大幅に延び、メンテナンスコストを低減できる特長を持つ。この理由として、4フッ化構造のフッ素樹脂の採用にある。従来のフッ素樹脂は一般的に“紫外線に弱い”という部分があった。しかし、4フッ化構造のフッ素樹脂は、強靭で強い結合エネルギー(C―F)を持つため、紫外線に強い。

このため、海岸地域や工業地帯などの厳しい環境においても、優れた耐久性を発揮するほどだ。

耐候性の他に同製品の特長として、優れた低汚染性がある。これは、塗膜表面を親水性にすることで、雨天時の雨水が建物に付着するゴミやほこり等の汚れ物質を浮き上がらせながら流し落とす「セルフクリーニング機能」によるもの。従来品より親水性を高めた設計でこれまで以上の低汚染性を実現した。

4フッ化構造のフッ素樹脂と汚れが付きにくい塗膜により、キレイな壁面を長持ちすることでメンテナンスコストを抑える「サンフロンUV」。同社はこの製品をメーンにリフォーム需要のフッ素塗料マーケットを切り開く。

なお、サンフロンシリーズは、水性一液型フッ素樹脂塗料の「水性サンフロン」もラインアップしている。水性の一液のため、作業性が良く、溶剤臭や引火の心配がない。各種外装仕上げ塗料のオール水系の改修用として最適な製品を取り揃える。

窯業系サイディング塗り替えに スズカファイン

高度な耐紫外線設計

スズカファインの「WB(ウォールバリア)多彩仕上工法」は、窯業系サイディングボード塗り替え用工法で、水性アクリルシリコン系塗料の「WBアートSi」を用意。戸建て住宅に多く採用されている、複数の色や自然な凹凸感のある高意匠窯業系サイディングの塗り替えに適している。

同製品は高度に耐紫外線設計されており、クリヤーの「WBアートSiクリヤー」と組み合わせて使用することによって、耐紫外線性を大幅に向上させ、さらに層間の密着力に優れた塗膜を形成する。

WBアートSiクリヤーは、約628kJ/molのSi―O結合エネルギーを持つ特殊アクリルシリコン樹脂を使用しているため、紫外線劣化に強い。

280~380nmの広範囲な紫外線領域を吸収する紫外線吸収剤を配合することで、紫外線のエネルギーを化学的に熱や赤外線に変換して放出したり、自身の一時的な構造変換に消費することにより、塗膜への影響を少なくしている。また、塗膜に均一に分散させることで、長期にわたり効果が持続する。さらに、高分子樹脂のもう一つの劣化要因であるラジカル分子を補足する光安定剤を有する樹脂を配合している。

WBアートSiは、特殊アクリルシリコン樹脂および光安定剤を使用し、優れた耐候性を発揮。酸化チタンの表面に特殊な処理を施し、光触媒作用を抑えた高耐候性酸化チタンを使用した。

WBアートシーラーは、カチオン系特殊樹脂を使用しているため、窯業系サイディングの劣化塗膜に対し、優れた付着性を発揮。白色タイプであるため、下地の隠蔽性に優れ、塗り替えでの仕上がり性を向上させる。

こうした高機能性に加え、専用ローラーカバーを用いた多層構造の塗膜と、特殊クリヤーによる絶妙な風合いを持った高級感ある上質な仕上げが得られるとのこと。上品で柔らかい3分つや仕上げもポイントという。なお、特許工法であるこれらの製品は、認定施工店の専用材料である。

常温亜鉛めっきを水性化 ローバル

塗膜中の亜鉛含有量95%
ローバルは、常温亜鉛めっきを水性化した「水性ローバル」を販売している。同製品は、乾燥塗膜中の亜鉛含有量を95%にまで高めることで亜鉛の持つ電気化学的な特性を利用し、従来のローバル同様、溶融亜鉛めっきの最高グレードを同等の強力なさび止め効果を発揮する。2015年5月にはその技術が認められ、特許を取得した。

有機系なので無機系に比べ作業性が良く、工場・現場施工両方に対応可能な水性ジンクリッチペイント。さらに、従来のジンクリッチペイントの概念を覆す、活膜(旧塗膜)の上からも塗装可能で、部分的な補修のみならず、塗替え工事の際に活膜を残したままのオールオーバー塗り(全面塗装)にも対応可能。活膜の上に塗った部分では電気化学的な防錆効果はないが、補修箇所の面積割合が多い場合、オールオーバーする方が作業性に優れている。

従来、ジンクリッチペイントを塗り替えで使用する際は、旧塗膜はすべて剥離する必要があったが、水性ローバルは素地調整に幅を持たせることができ、現場において旧塗膜の状況や状態に応じた現実的な施工方法を選択することができる。

また、密着性にも優れるため、各種上塗り塗料が塗装可能で、下塗りに水性ローバルを使用して、中塗り・上塗りにも水性塗料を組み合わせたオール水性塗料による塗装系の実現を可能にした。

亜鉛めっき面への付着性も良好で、めっきが剥がれた部分へはもちろん、鉄塔や立体駐車場など亜鉛めっき部材で組み立てられた施設が古くなり赤さびが出そうなときに水性ローバルを塗ることで再めっきするのと同じ効果が得られ、部材の寿命を延ばすことが可能である。塩水噴霧試験は4千時間をクリア。

水性ローバルは、従来からある溶剤系の常温亜鉛めっき「ローバル」に比べ、VOC(揮発性有機化合物)を97%カットした環境・人体に優しい塗料。溶剤を使用せずシンナー臭もしないので、身の回りのさまざまな鋼構造物(鉄面、亜鉛めっき面等)に使用できる。

使用箇所としては、立体駐車場、マンションの手すりや階段、エントランスなどの共用部、商業施設、駅舎などシンナー臭を敬遠される場所での使用、あるいは密閉された空間で使用する際のシンナー中毒からの作業者の安全確保などを想定している。 形態は1液1粉末形。荷姿は5kgセットと20kgセットの2種類がある。