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2016 業界5大ニュース<グローバル編>

『塗料報知』記者が選ぶ~2016年ここだけは、おさえておこう!!~

1位 Sherwin-William、Valspar買収でアクゾを抜いて世界トップに

Sherwin-Williamは、約11.3billionドルでValsparを買収すると発表。包装やコイル分野で新たなキャパシティが生まれる。PPGやアクゾを抜いて世界第1位になる。

2位 ベトナム国家規格にJIS K 5602採用へ

ベトナム国家規格(TCVN)にJ IS K 5675(屋根用高日射反射率塗料)、JIS K 5602(塗膜の日射反射率の求め方)が採用の見通し。東南アジアへの日本の遮熱塗料製品の浸透の足掛かりへ。

日本側がVIBM(ベトナム建築材料研究所)を窓口として提案し、ベトナムの国家規格(TCVN)として採用が検討されたのは「JIS K 5675」(屋根用高日射反射率塗料)と「JIS K 5602」(塗膜の日射反射率の求め方)。今年度および来年度の予算で規格作りの予算が付き、ベトナム側は屋根用遮熱塗料とその測定手法の国家規格を来年5月までには作りたい意向だ。

屋根用遮熱塗料の規格は「JIS K 5675」をベースにしてベトナム現地の気候などの条件に合うように一部修正し作成する。「JIS K 5602」についてはベトナムの気候条件に合わせてなどの修正または、別規格を参考にする可能性もある模様だ。日本とベトナム側が共同で詰めの作業を行う。ホーチミン市での日本の遮熱塗料の屋外暴露試験も昨年11月からスタートした。日塗工、日塗検も受託委員会のメンバーとなり主交渉に関わっている。
 「ベトナムは暑い国で建物の省エネルギーに強い関心を持っており、関連の規格作りや法整備を進めたいというのがベトナムの建設省の意向だ。まずは遮熱塗料についてスタートさせた」(建産協国際交流部)。

ベトナムでは今後遮熱塗料の需要の伸びが十分に見込まれる。遮熱塗料とうたってはいてもほとんど性能がないようなまがいものが出回りはびこる前に、性能を客観的に正当に評価できる規格を植え付けたいというもの。

このほか、ベトナム向けでは窓の遮熱性能やWPRC(木材プラスチック再生複合材)でJIS規格のTCVNへの導入が検討中だ。また同支援事業ではインドネシアにも省エネ技術や規格を紹介。窓の遮熱性能や節水トイレのJIS規格を、インドネシアの国家規格(SNI)に導入を検討の方向で動いている。遮熱塗料についても関心を持っているという。

『塗料報知』2016年8月27日号1面(No.4150)

3位 IPPIC/APIC(アジア塗料工業協議会)合同会議を日本で開催

IPPIC(国際塗料印刷インキ協議会)とAPIC(アジア塗料工業協議会)は、東京都港区高輪のグランドプリンスホテル新高輪にて、3月1日からの4日間の日程で各国際会議、及び初のIPPIC、APIC合同会議を開催した。日本塗料工業会(石野博会長)がホスト国となり、海外からの工業会20団体含む、オブザーバー、スポンサー、報道機関等、約100名が参加し活発な議論と各種意見交換が交わされた。

3日の合同会議では、石野会長があいさつに立ち、世界情勢の変化などに言及した後「IPPICもAPICも20年以上活動を続けていますが、お互いの活動を会議で報告することはあっても公式に両協議会が合同で会議をする機会はありませんでした。世界の塗料市場は成長産業として注目されている業界であり、今回の合同会議で皆様方が情報を共有することにより、工業会同士のコミュニケーションを推進し、世界の塗料工業の発展に寄与することを願います」と話した。

続いてIPPIC、APICの各団体の紹介後、IPPICから、鉛塗料対策UNEP国連環境計画とWHO世界保健機関による鉛塗料対策同盟(LPA)の活動についての報告があった。この後、IPPICのAndy Doyle氏よる「State of the Global Coatings Industry」の発表があった。これによるとアジアパシフィック地域の生産量は世界マーケット全体の51%、金額で45%を占める。2008年から2015年で、ヨーロッパ地域が1%の伸び率に対し、アジアパシフィック地域は、生産量で76%伸びていると話した。その他、建築、新車、船舶のマーケット別の市場現況、地域別の成長率予測などを発表した。

最後に各工業会の会員による「化学物質管理」の各国の状況報告があり、合同会議を終えた。会議に参加した工業会は、ABRAFATI(ブラジル)、ACA(アメリカ)、ANAFAPYT(メキシコ)、APMF(オーストラリア)、BCF(イギリス)、BOSAD(トルコ)、BPMA(バングラディッシュ)、CEPE(ベルギー)、CNCIA(中国)、CPCA(カナダ)、IPA(インド)、KPIC(韓国)、MPMA(マレーシア)、PAPM(フィリピン)、SPIA(シンガポール)、TPIA(台湾)、TPMA(タイ)、VdL(ドイツ)、JPMA(日本)であった。また、IPPICは、1日と2日に、APICは、4日に単独の会議を開催している。

2016年3月17日号1面(No.4134)

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