WEB塗料報知|塗料・塗装、コーティング業界のプラットフォーム

速乾性と光沢に優れた工業・汎用・ 建築資材向け1液型水性塗料 「アクアシャインGA」の開発

3-4.アクアシャインGA専用水性プライマーの開発とその防錆性

アクアシャインGAを金属に塗装する際、密着性や防錆性を向上させるため下塗としてプライマーの塗装が必要となる。アクアシャインGAでは下塗のプライマーから完全に水性化を図るため、1液型水性プライマー「アクアシャインメタルプライマー」の開発を行った。例えば、塗装される金属が鉄である場合、その性質から錆を発生させやすいが、それを塗料によって防ぐことができる。しかし、塗膜が正常に形成されていれば良いが、何らかの要因で塗膜が劣化し、金属が表面に表れた場合、錆の発生や進行が進むことになる。ここではアクアシャインメタルプライマー、一般水性1液型プライマー、一般溶剤系1液型プライマーを塗装後、アクアシャインGAをスプレー塗装し、塩水噴霧試験(JIS 560071240時間を行い、錆の等級をJIS 560083に基づいて評価を行った。表4にその試験結果を示す。

表4からアクアシャインメタルプライマーは、一般水性プライマーよりも非常に高い防錆性を示し、一般溶剤系プライマーと同等程度の防錆性能を示す。このアクアシャインメタルプライマーとアクアシャインGAを組合わせることにより塗膜の防錆性を大幅に向上させることが可能である。

表4 一般水性プライマー・一般溶剤系プライマー比較での防錆性評価

 

4. まとめ

今回、アクアシャインGAの作業性や塗膜性能について述べた。アクアシャインGAは溶剤系塗料を置き換えることが十分可能なポテンシャルを持っていることを確認できた。また、アクアシャインGAは、スプレー塗装以外にも刷毛やローラーを用いた塗装が可能であり、工業用から建築資材など幅広く使用できる塗料である。現在、溶剤系塗料を使用しているが、環境対応を検討されている、あるいは現在水性塗料を使用しているが、作業性の向上・塗膜品質の向上を検討されているユーザー様の要望に応えることができれば幸いである。今後とも塗料を使用される塗装者様を第一に考え、作業性・塗料品質ともに市場で求められる塗料の開発を行っていきたいと考える。

執筆者 Profile

加藤大昇(かとう ひろのり) 2014年 イサム塗料株式会社 入社 滋賀工場 技術部 第2グループ

<『塗布と塗膜』Vol.7 No.2 掲載>

1 2