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インタビュー、東日本塗料 尾張実社長

東日本塗料 代表取締役社長 尾張実氏

創業75周年 社内・顧客の生産性向上に取り組む

――今期の業況の進捗は。
 春のGWの影響を心配していたが、そこそこ数字を残せている。当社は中型工事物件が主軸であったが、2月には過去最大の受注となった物流センターでの案件が決まり、堅調に推移した。コストでは勝負しておらず、機能が評価された結果だ。
 今後についても、お客様一件一件を丹念に回る営業戦略を貫く。過去に手がけた物件の改修提案を行うと同時に、ゼネコンや工務店が抱える新規物件についても機能性製品の提案を続けている。

――営業も生産性が求められる時代となってきました。「働き方改革」の取り組みは。

 まず取り組んだのが制度面の透明性だ。平成296月より社会労務士と顧問契約を結び、取締役会の後に労務制度面の勉強会を設け、就業規則を「働き方改革」に合わせ変更した。また、従業員に理解してもらうために説明会を数回開き、制度を全社で理解してから運用に入った。

――運用していかがですか。

 従業員が効率的に物事を考えるようになった。あるプロジェクトを効率的に進めるために、各部門への打診を早めに動くことで、連携が強固になった。同時に、所属長は広い視野を持つことができ効果が出てきている。
 また、営業では施工現場で、スマートフォンを使い遠隔で営業担当者と技術担当者を繋ぐ仕組みも始めた。お客様の細かな技術的なご質問にも、技術からすぐに回答できるので喜んでもらっている。我々の営業は現場のサポート力を通じたセールスエンジニアとしての役割が強い。一方、技術も現場を知ることで開発の種を見つけることにもなり、現場をイメージしながら開発に取り組めている。

――生産性を向上させた分、どこに投資していきたいか。

 社員教育である。既に、社員には、防水施工技能士や職業訓練の講師などの資格を持つ営業担当者が多い。新人にも継続して資格取得を推奨させている。今後は、人材磨きを充実させ、知識だけでなく人間力を磨く教育を実施していきたい。

――生産現場での投資は。

 これからの時代、人が抜けたら人を入れるという考え方では納まらなくなってくる。人がいなくても生産・供給が滞りのないように、今後も活発的に設備投資を行っていく。直近の例として、さまざまな容器に対応できるラベラー機の導入などがある。今後は、水系の製品が順調に伸びているので、排水処理システムなどの設備投資を予定している。

――働き方改革で制度において従業員に求めることは。

 ビジネスプランにしても職場環境改善にしてもボトムアップを活発化させて欲しい。自己中心ではなく、全社最適を見通した提案を求める。人材の定着は自主性を持たないと続かない。自主性で言えば、営業会議では数字の報告だけでなく、グループに分け原因と対策を練り、アクションプランを自ら考える方式に変えていった。

――一方、ユーザーへの生産性向上への貢献は。

 例えば昨年上市した床用塗料の「フローンヌルサット」は撹拌機を必要としない省工程化した製品である。また、職人不足の中で、冬場でも乾燥の速い床用塗料の「フローンアクアファースト」など現場の生産性を高められる製品が好評を得ている。機能性を追求することで、価格競争に巻き込まれずに利益が確保できる製品を取引先に提供することにより、生産性の向上につながると信じている。

――創業80周年に向け今後の展開は。

 当社は営業、技術担当者に現場を下見させており、“現場の目利き力”は業界トップだと自負している。営業も技術も施工指導が行え、塗り方、現場での仕上げ方を指南しながら現場を見届けられる。現場の数をこなすことで、電話のみでもアドバイスができるようになるため、遠方への対応、業界の人手不足解消にも貢献している。
 ただ、まだまだ現場へ寄り添う営業は数も質も足りていない。全体を掴むまでには、時間的制約により、現場へ行くことができていない物件もあり、先ほどの生産性を向上させることで、解消してきたい。「当たり前のことを丁寧にする」。言葉にするとありきたりだが、これが一番難しい。“現場を知る”メーカーであることを、今後も続けていきたい。

――ありがとうございました。