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中国塗料と三井化学、バイオ樹脂の重防食塗料

中国塗料と三井化学は7月7日、高付加価値塗料による船舶の環境対応強化の取組みとして、警固屋船渠で建造される液化アンモニア運搬船のバラストタンクに、中国塗料が開発の重防食塗料「CMP ノバ 2000(Bio)」が採用されたと発表した。

近年の船舶用塗料を取り巻く環境は、法規制等への対応を強いられてきた感がある。主な規制に「燃費低減防汚塗料の開発(CO2削減)」がある。IMO GHG削減戦略(2018年4月採択)として、国際海運からのGHG排出を2050年頃までにGHG排出ネットゼロを目標としている。その過程で、2030年までにCO総排出量を40%削減、2040年には70~80%が目標に掲げられている。
 
本塗料にはISCC PLUS認証を取得したマスバランス方式によるCO排出量を削減した三井化学のバイオエポキシ樹脂を使用。マスバランス方式によるバイオエポキシ樹脂塗料が船舶向けに採用されるのは世界初(中国塗料調べ)となる。
 
さらに同船の船底部には、中国塗料の低燃費型防汚塗料「シープレミア 2000 PLUS」が採用されており、運航時におけるCO排出量削減も期待される。
 
これらの高付加価値塗料を採用することで、塗料製造時および本船就航後においてCO排出量の大幅な削減が期待される。同船の竣工は2026年5月の予定。
 
CMP ノバ 2000(Bio)の品質、塗膜性能は石油由来品と同等であり、機能を維持しながらバイオマス由来であることで、既存の「CMP ノバ 2000」と比較して塗料1トンあたり約660㎏相当(暫定値)のCO排出削減効果が見込まれる。
 
また、シープレミア 2000 PLUSを採用することで、一般の船底防汚塗料を使用した場合と比較し5~8%の燃費向上、および船舶運航時のCO排出量の削減が期待できる。