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水谷ペイント、 無機系塗料の新製品上市

水谷ペイントは7月30日午後2時30分から東京都千代田区外神田のTKP秋葉原カンファレンスセンターにて「特別製品説明会」を開催した。説明会では新製品「ナノコンポジットMUKI」を8月1日から発売すると発表した。ナノコンポジットシリーズから9年振りの新製品となり、最高級品の誕生との説明があった。

あいさつする水谷成彦社長


冒頭、水谷成彦社長があいさつに立ち「当社の無機系塗料は、現在上市されている塗料とは、コンセプトが異なる。重合技術を最大限に生かし、まさに最高級製品であり、技術戦略である高機能、環境配慮、安全・安心を体現した製品である」と、語った。
 
続いて製品発表に移り、同社経営企画室次長の松良昌彦氏が、ナノコンポジットシリーズの変遷から新製品の特長を発表した。

発表された新製品「ナノコンポジットMUKI」

 
ナノコンポジットMUKIは、高性能超微粒子シリカを採用した建築壁用の無機系塗料。樹脂の重合から同社が開発し、超耐久性と超低汚染性の両立を実現した。シリーズ製品の特長であるナノコンポジットエマルションは、一般的なエマルションより微粒であり、緻密な塗膜を形成する。その結果、乾燥時の塗膜欠陥が少なく均一な塗膜となる。この〝均一〟にすることにより、優れた超耐候性と超低汚染が成立。また、作業面でも乾燥性が早くなる効果がある。期待耐用年数は25年。同シリーズの最長となり、水谷ペイントのなかでも最高級品である。
 
発表会ではナノコンポジットシリーズの歴史にも触れた。同シリーズは、2004年に「ナノコンポジットW」がスタンダード品として誕生したが、同社で開発した樹脂であるナノコンポジットエマルションのコア部分に無機成分であるシリカを採用。その周囲を有機成分のシリコン樹脂で覆っている。つまり、発売当初から同シリーズは無機系の塗料の分類にあると改めて同社は説明した。今回の新製品は、その樹脂のコア部分であるシリカ原料により高い超耐久性を持たせてバージョンアップしたものである。塗装仕様や調色対応はスタンダードの「W」と同様となる。
 
なお、説明会では同社の強みである樹脂合成の工程を動画で説明するなど、製品開発のプロセスを公開。塗料メーカーから原料レベルの製造工程を動画で説明することは珍しく、参加者は興味深く、説明に聞き入っていた。