女性ネットワークの会、 広島でイベント開催
日本建築仕上学会 女性ネットワークの会は、7月18日から2日間、広島市でイベントを開催。18日には東区二葉の里で進行中の「広島二葉の里3丁目新築工事」(施工:フジタ、設計:久米設計)の見学会を行い、翌19日には中区のおりづるタワーにて親子見学会を実施した。両イベントは公益推進協会建設女子応援ファンドの助成を受けて開催された。
建築作業所見学会は午後1時から4時に行われ、司会は同会大阪支部運営委員の松尾晶子氏が務めた。見学対象の建物は複合オフィスビル「d_ll HIROSHIMA」で、鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁による地上10階建て一部鉄骨造、PH2階建ての構造である。参加者は11人で、広島市内からの参加が多く、現場見学は初めてという人もいた。工事用エレベーターで10階に上がり、仮設階段で屋上へ至り、配筋の様子や高さ50mからの景観を体験。その後、階ごとの工事進捗を確認し、外壁窓枠や設備工事、仕上げの進行状況を学んだ。外壁バルコニーには約400枚の幕板PCが設置され、ランダム配置によって建物に変化を与えていた。

大屁の見学の様子
最大の見どころは1階の大空間である。T字型PC床版(最大15t)を細柱で支え、全面ガラス張りとした構造は施工上の難関であり、PC造とは思えない仕上がりに参加者は感銘を受けた。見学後には質疑応答が行われ、PC接合部や施工手順について活発な意見交換があった。続いて安田女子大学理工学部建築学科の川口とし子教授が特別講演を行い、出演したテレビ番組「大改造!!劇的ビフォーアフター」の映像を交え、建築の魅力を語った。参加者からは「現場を初めて体験でき貴重だった」との声が寄せられた。工事所長の小中宏高氏(フジタ)は「女性の活躍が増えており、この見学をきっかけに業界に関心を持ってほしい」と述べ、安全意識向上の取組み「まぶたの家族運動」の映像も紹介した。

おりづるタワー親子見学会の様子
翌19日にはおりづるタワーで親子見学会を開催し、親子2組が参加した。案内は同タワー施工を担当したフジタの松浦泰造シニアコンサルタントが務めた。屋上展望台「ひろしまの丘」からは原爆ドームや広島城を望み、施工時の様子や建物の特徴について説明を受けた。館内では原爆ドームの由来や被爆建物の展示を見学し、子供たちはアバターなどの動く展示に興味を示した。親子で折り鶴を折り、壁に投入して平和を祈る体験も行われた。建築と平和を同時に学ぶ機会となり、参加者は充実した時間を過ごした。