日塗装、札幌で全国建築塗装技能競技大会
日本塗装工業会(加藤憲利会長)は10月10・11日の2日間、札幌市豊平区豊平5条の北海きたえーる(北海道立総合体育センター)で「第28回全国建築塗装技能競技大会」を開催した。全国各地の地区予選を勝ち抜いた38人が出場し、下地調整から仕上げに至るまで練り上げた技能を披露した。会場は終始熱気に包まれ、最後の一筆まで集中力を切らさぬ選手の姿が来場者を魅了。本大会は、塗装技能の継承と若手育成の意義を改めて示す場となった。
本大会が北海道で開催されるのは22年ぶり。全国10ブロックの予選を勝ち抜いた男性36人、女性2人が日頃の研鑽の成果を競い合った。初日は午前9時50分に開会式が行われた後、10時40分に競技がスタート。選手は設定課題と自由課題に取り組んだ。緊張感と集中力が張り詰める会場の各ブースでは、下地調整から塗装仕上げに至るまで、基本技術の正確さと表現力が試された。わずかな刷毛さばきや色調の違いが勝敗を分ける場面も見られた。
2日目は午前8時30分に再開。選手たちは終了時刻の午前10時まで集中力を切らさず、作品の完成に全力を注いだ。その真剣な姿勢は技能者としての誇りを体現し、大会は若手育成と技能継承の意義を示す重要な場として、大きな意義を持った。

開会のあいさつをする加藤憲利大会会長
表彰式は11日午後4時から行われ、開会のあいさつに立った加藤憲利大会会長は「大会開催に多大なご協力を賜り深く感謝する。今回の経験を技能継承の糧とし、今後は女性技能者の活躍促進にも力を注いでいきたい」と述べた。続いて、多くの来賓より祝辞があり、賞状授与が行われた。
今回栄えある内閣総理大臣賞には北海道ブロック代表の天坂恭輔氏(たの塗装工業)が選ばれた。天坂氏はその他3つの部門賞も受賞。北海道ブロックは2023年の前回大会でも松田剛氏(丸正マツダ塗装)が同賞を獲得しており、2連覇達成となった。受賞のあいさつで天坂氏は、「初出場で優勝できたことを素直にうれしく思う。北海道勢として連覇を果たせたのは、支えてくれた会社のおかげである」と喜びと感謝の意を述べた。
なお、次の第29回大会は山形県で開催を予定している。
各賞受賞者は次の通り。
▽内閣総理大臣賞=天坂恭輔(たの塗装工業・北海道)▽国土交通大臣賞=浅津星亜(佐藤興業・東京)▽厚生労働大臣賞=伊藤誠将(いとう工業・熊本)▽国土交通省 不動産・建設経済局長賞=金城敬憲(沼田塗装店・神奈川)▽厚生労働省 人材開発統括官賞=髙田信彦(タカタ塗装・熊本)▽北海道知事賞=鈴木稔一(小林創業・北海道)▽札幌市長賞=石山泰史(スギソウ・北海道)▽中央職業能力開発協会 会長賞=松本真弥(沖塗工業・沖縄)▽日本塗料工業会 会長賞=佐々木貴大(グラデーションプロ・宮城)▽日本塗料商業組合 理事長賞=藤尾翔太(佐藤塗工・大分)▽日本建築仕上材工業会 会長賞=川田哲(川田建装・香川)▽日本塗装工業会 会長賞=亘和孝(阪井塗装工業・東京)
【部門賞の部】
▽自由仕上げ=松本真弥(沖塗工業・沖縄)▽つや有り合成樹脂エマルションペイント刷毛塗り仕上げ=天坂恭輔(たの塗装工業・北海道)▽可とう形改修塗材E仕上げ=天坂恭輔(同)▽内装用水性特殊多彩意匠仕上材仕上げ=浅津星亜(佐藤興業・東京)▽調色=天坂恭輔(たの塗装工業・北海道)
【特別賞の部】
▽札幌市立大学学長賞=峯村紅輝(五明・長野)▽北海道技能士会会長賞=山田悠洋(山田塗装店・岡山)▽日本塗料商業組合北海道支部支部長賞=山﨑彰彦(若宮塗装工業所・石川)