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日塗装、全国支部長会を札幌で

日本塗装工業会(加藤憲利会長)は、9月10日午後4時から北海道札幌市豊平区の北海きたえーるで全国支部長会を開いた。なお、本支部長会は、同会場、同日程開催の全国建築塗装技能競技大会に合わせて実施された。
 
あいさつに立った加藤会長は「日頃より本会運営にご協力いただき厚く御礼申し上げる。今年は各地で周年事業が重なり、全国十数か所を訪問している。訪れる先々で心温まる催しや理路整然とした事業など、地元の特色を強く感じている。準備には大変な労力を要するが、支部の団結に大きく寄与しており、ぜひ今後も継続してほしい」と述べ、「担い手不足への対応には3つの柱がある。第1は建設業界全体での処遇改善で、塗装職種は技能者数が2年連続で増加し、29歳以下の若手比率も上がっている。第2は外国人材の活用で、特定技能や技能実習を合わせ約1700人が従事し、現地面接による採用拡大を進めている。第3は女性就労支援で、育休やフレックス制度の整備、女性リーダー登用など環境を整えることが必要だ」等と呼びかけた。 

全国支部長会会場の様子


報告事項は以下の通り。
▽ペインテナンス工事支部別月例報告について=8月実績を訂正し累計997件、5000件達成へ向け各支部に協力を要請(片桐久常任理事)/叙勲Ⅱ類(従業員)候補者推薦について=従業員対象、資格基準を満たす者を11月7日までに本部に推薦(松室利幸副会長)/次期役員改選および委員会委員選任のスケジュールについて=令和8年度の改選スケジュールを提示、5月総会で新体制を正式承認予定(金子哲也常務理事)/委員会委員の任期について=1期2年を原則、通算3期6年上限とし、経験循環を促す人選を要請(河野敬幸常任理事)
 
続いて、雇用管理改善研修では「インドネシア合同職種説明会・退役軍人向け日本の建設業務説明会(ベトナム)の報告と弊社における若手技能者(外国人)対応について」と題し、若宮昇平副会長が報告した。
 
7月にインドネシア・スラバヤで開催された「合同職種説明会」に参加したことを紹介。大学・工業高校の学生や教員ら約300人に対し、日本の建設業の概要や技能実習・特定技能制度を説明し、現地の熱心な反応に触れた。また、ベトナム・ダナン近郊では退役軍人向けに日本の建設業務を紹介。徴兵を終えた20代前半の若者らに、日本での就労機会を提示し、双方にとって有益な受け入れの可能性を示した。
 
一方、国内の課題として建設技能者は高齢化が進み、29歳以下は1割強にとどまる現状を踏まえ、「若年層の確保には外国人材の存在が欠かせない」と強調。自ら海外で説明活動を行った経験を踏まえ、採用後は日本語教育や生活支援を含む体制を整え、定着を図ることが重要であると訴えた。