アンデックス、環境制御技術で快適性と省エネを両立
RX Japanは、11月12日からの3日間、幕張メッセにおいて「第8回塗料・塗装設備展(コーティングジャパン)」を開催した。ここでは、編集部が注目した企業、製品サービスを「ブースレポート」として紹介する。
蒸気レスで安定した湿度・温度を供給
塗装品質と作業環境の向上を目指し、CO2・VOC排出削減と暑熱対策をテーマに掲げてアンデックスでは今回、「ウエットエアー式空調機」、「エアカーテン式ゾーン空調システム」、「溶剤除去装置」をアピールした。

開放的なブースに実機を展示
蒸気レスで高効率加湿を実現「WETCOMⅡ」
ウエットエアー式空調機「WETCOMⅡ」は、蒸気を使用せずに塗装ブースへ安定した温湿度を供給する。東洋熱工業の技術協力のもと、中部電力ミライズ・中部電力と共同開発され、現在特許出願中である。
ヒートポンプを活用した蒸気レス方式により、高効率・高加湿性能を実現。外気条件に左右されず、年間を通じて安定した吹き出し温湿度を維持できる点が特長だ。ボイラーや蒸気配管のメンテナンスが不要で、経済性・制御性・加湿性能の三拍子が揃う。用途は自動車・航空機・樹脂などの塗装ブースで、中小企業への展開も視野に入れている。

解説図と模型を組み合わせて「WETCOMⅡ」を分かりやすく展示
壁不要のゾーン空調「AC-ZONE」
中部電力、中部電力ミライズ、新日本空調との共同開発による「AC-ZONE」は、エアカーテンを活用したゾーン空調システムで、今回初公開。従来の壁やビニールによる空間仕切りで、人や物の移動を妨げる課題を解消し、快適な作業環境を提供する。
新築・既存工場の両方に対応可能で、ゾーンサイズや設置場所の自由度も高い。空気の壁により冷気・暖気の漏れを防ぎ、省エネ性にも優れる。展示ブースでは実演も行われ、来場者の関心を集めた。すでに引き合いも寄せられているという。

実際に「AC-ZONE」を稼働させ、空調の状況を体験
空調ロスを防ぐ移動型「SOLCOL」
川崎重工業との共同開発による溶剤除去装置「SOLCOL」は、2026年5月の発売を予定。MEK(メチルエチルケトン)有機則第13条の3に対応し、特許取得済みの製品だ。
特徴は移動性を確保したこと。移動可能なサイズで高い溶剤吸着性の実現は苦心した点である。キャスター付きのコンパクトサイズなので移動が容易であり、工場のレイアウト変更への対応も容易だ。空気中の溶剤成分を除去し、清浄空気を循環させることで空調ロスを防止。陽圧環境にも対応し、クリーンルームなどの内圧にも影響を与えない。

キャスター付きで楽に移動できる「SOLCOL」
人材確保の観点からも作業環境の快適性は重要だが、カーボンニュートラルの流れを受け、省エネへの対応も不可欠。アンデックスは、現場の効率化と環境負荷低減を両立する製品群で、持続可能なものづくりを支援していく構えだ。
グローバルコード
IEC
環境開発技研
栗田工業
サンコウ電子研究所
パーカーエンジニアリング
ユカエンジニアリング
