IEC、8年連続出展 来場者×IECで「Idea」を育む
RX Japanは、11月12日からの3日間、幕張メッセにおいて「第8回塗料・塗装設備展(コーティングジャパン)」を開催した。ここでは、編集部が注目した企業、製品サービスを「ブースレポート」として紹介する。
廃棄物をエネルギー転換、2つのシステムを展開
IECは、実演展示にこだわり8年連続の出展。今年も来場者の「Idea」を「egao café」カウンターで営業・技術担当者が談笑を交えながらヒアリングし、コーティングやシーリングの製品開発やエンジニアリング提案に繋げていく。展示会をただの製品発表の場にしないのがIECブースの哲学がある。

来場者とIEC担当者がIdeaでコミニケーションする「egao café」(左奥)
注目の出品製品・サービスには、IECの注力事業の環境システムがある。「Team IECサーキュラーエコノミー」と名付け、廃棄物をエネルギー転換するシステムである。システムの1つ、有機物磁気熱分解エネルギー変換装置「MG22Eh」は、建築廃材や段ボール等の事業系有機物、間伐材や枯木などの木材系有機物などを磁気と装置内の熱源のみで有機物を分解・減容し、発生する可燃ガスで熱水をつくりだす。
既にフィリピンで日系企業から採用され、運用が開始されている。事業系の廃棄物の処理として新しいアプローチになっている。塗装ではドライブースへの変更で、段ボールフィルターの増加が見込まれる。その際の使用済みフィルターを廃棄する方法としても期待されている。
もう一つのシステムとして、有機物の廃棄物の中でも含水率85%以上では「メタンガス発酵装置」が利用される。食品製造残渣等の有機物をメタンガスに転換し、発電や温水として使われる。

「Team IECサーキュラーエコノミー」の2つのソリューション
近接塗装ベル需要に対応、ベルカップ洗浄
塗装関連装置では、「ベルカップクリーナー」を出品。昨今、ベル型塗装機のカテゴリーで、近接塗装ベルが一大ブームとなり、自動車製造ラインだけではなく、他産業でも採用されてきている。色替え時には、洗浄シンナーで空吹きし、ベルカップは人が洗浄するなどの作業が行われていた。ベルカップ洗浄装置は、自動車塗装分野では塗装機メーカーが提供しているが価格が高く、一般産業では前述の洗浄方法が用いられている。

コストを抑えた完全自社開発品の「ベルカップクリーナー」
IECでは、導入コストを抑えたベルカップ洗浄装置を新たに開発。完全自社開発品のため安価に提供が可能となり、回収装置も自在にカスタマイズできる。内部構造は現在特許出願中である。
シーリング剤関連では、自社開発品の「シーリング・アプリケーター」を発表。自動車部品は溶接を減らす傾向にあり、シーリングによる接着が増加しているという。従来の自動ガンではR形状などにおいて滑らかな塗布ができず接着面からシーリングがはみ出てしまい、そのまま塗装・焼付工程に進むとはみ出したシーリングがゴミとして付着するケースがある。そのため安定したシーリングの軌道での塗布が重要となる。今回、調圧機能をディスペンサーに持たせることでロボットスピードに併せた塗布ができるようになる。

調圧機能のある「シーリング・アプリケーター」は、なめらかな塗布を実現
ブースには、昨年同様「CAT WALK」を設置し、会場全体を見下ろせる空間を創り出し、コーティングジャパンで際立つ存在を示した。

CALWALKからのコーティングジャパン全景
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