アルダグラム 、製造業・生成AI活用実態調査
現場DXサービス「KANNA(カンナ)」を運営するアルダグラム(東京・長濱光社長)は、製造業に従事する500人を対象に生成AIの活用実態を6月15日~17日までの期間にインターネットで調査した結果を発表した。
今回の調査により、生成AIの認知度は89・6%と高い一方で、活用率は4人に1人未満(24・6%)と低く、導入を阻む最大の壁は、技術やコストではなく、「必要性を感じない」(32・0%)という意識面であることが明らかになった。一方、活用者の91・8%が業務効率向上を実感しており 、生成AIは生産性向上に寄与していることも確認された。
調査結果の主なポイントとして次の点が挙げられている。
▽生成AIの認知度は約9割だが、活用率は3割未満で〝理解と実践のギャップ〟が鮮明になっている。
▽活用者の約9割が「週1回以上」利用しており、AI活用は日常的な業務ツールになってきている。
▽「ChatGTP」利用率が7割で突出しているが、活用者の約4割が「Copilot for Mirosof 365」も利用。業務内容に応じて最適なツールを選択する、より高度な活用が始まっている。
▽活用者の9割以上が「業務効率向上」を実感。生成AIが一部の業務を劇的に改善する高いポテンシャルを持っていることが伺える。
▽活用用途は「情報収集」がトップで7割超。「翻訳」利用が半数を超えていることが注目される。
▽最大の導入効果は「業務の短縮」で8割超が実感。業務のスピードアップだけでなく、品質や正確性の向上といった「質」の改善にも大きく貢献している。
▽導入を阻む最大要因は「必要性を感じない」が3割超。活用者と非活用者の間に生成AIに対する大きな「認識のギャップ」が生じている。
▽今後のAI活用意向は、肯定・中立派が6割超に対して、否定派は約4割である。
製造業における生成AIの活用はまだ走り出した段階にあるが、本調査により、①活用者と非活用者の間に「業務上の必要性」への認識ギャップがある②現在は翻訳・文書作成などオフィス用途が中心で、品質管理・需要予測・工程最適化といった核心業務への応用余地が大きい③AIを扱える人材と社内ルールの整備不足が普及を阻んでいる等が明らかになったとしている。
利用者の9割超が効果を実感し得ている一方、未導入者層には価値が十分伝わっていない。まずは工程改善や不良削減などの成功事例と費用対効果を可視化し、具体的メリットを共有することが重要、と本調査では課題を指摘。
企業が主体となりAI人材を育成し、ルールを整備する。この2本柱が製造業の生産性をさらに引き上げる鍵となるだろう、と今後の方向性を述べている。

