【決算】関西ペイント、売上微減し利益も減少
関西ペイント(毛利訓士社長)は11月7日、2026年3月期第2四半期(中間期)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比1・6%減の2892億2300万円、営業利益は同7・6%減の243億2600万円、経常利益は同10・0増の286億606万円、親会社株主に帰属する中間純利益は同3・2%増の161億8700万円となった。
セグメント別の業績で日本は、自動車分野では、自動車生産台数は前年を下回ったものの、販売価格の改善に取り組んだことにより、売上高は前年を上回った。工業分野も拡販活動の成果により、売上高は前年を上回った。一方、建築分野および防食分野では、市況低調の影響により売上高は前年を下回った。船舶分野では、足元の需要が前年を下回る水準で推移したことにより、売上高は前年を下回った。セグメント利益は、主に自動車および工業分野で前年を上回った一方、建築、防食および船舶分野で前年を下回ったことから、全体では前年並みとなった。これらの結果、セグメント売上高は同2・4%減の799億4800万円、セグメント利益は同0・5%減の107億8100万円となった。
インドは、建築分野では市場競争の激化や低価格品へのシフトにより売上高は前年を下回った。自動車分野では、自動車生産台数の増加により現地通貨ベースの売上高は前期を上回ったが、円高による為替換算の影響により、インド全体の売上高は前年を下回った。セグメント利益は、減収に加えて人件費等の増加も影響し、前年を下回った。これらの結果、セグメント売上高は同6・9%減の701億6500万円、セグメント利益は同13・6%減の72億6300万円となった。
欧州は、トルコでは主要顧客の自動車生産台数が前年を下回り、売上高は前年を下回った。その他欧州各国においては、前年に行ったボルトオン型M&Aの寄与もあり、売上高が前年を上回った結果、欧州全体の売上高は前年を上回った。セグメント利益は、原材料価格が安定して推移し、また持分法による投資損失は改善したものの、インフレの影響により人件費などの固定費が増加したことにより前年を下回った。これらの結果、セグメント売上高は同3・8%増の792億2200万円、セグメント利益は同31・1%減の5億1100万円となった。
アジアは、中国では自動車生産台数は前年を上回り、売上高は前年を上回った。タイおよびマレーシアでは自動車生産台数減少の影響を受け、アジア全体の売上高は前年を下回った。セグメント利益は自動車分野の減収の影響を受け、前年を下回った。これらの結果、セグメント売上高は同2・2%減の327億7700万円、セグメント利益は同0・9%減の51億1300万円となった。
アフリカは、南アフリカおよび近隣諸国では慢性的な電力不足や政情不安が続く中にあっても、前年から新規顧客の獲得の寄与もあり、売上高は前年を上回った。東アフリカ地域では、主力の建築分野に加え工業分野においても売上高は堅調に推移した。セグメント利益は、増収の主要因である東アフリカ地域の建築分野の事業拡大により、前年を上回った。これらの結果、セグメント売上高は同4・8%増の225億7300万円、セグメント利益は同29・8%増の22億3500万円となった。
その他は、北米では自動車生産台数が前年を下回り、売上高は前年を下回った。セグメント利益は、減収の影響に加え、持分法による投資利益も減少したことなどにより、前年を下回った。これらの結果、セグメント売上高は同16・9%減の45億3500万円、セグメント利益は同52・4%減の9億9200百万円となった。
なお、今年5月12日に公表した通期連結業績予想を修正。売上高は予想より1・7%減の5900億円、営業利益は同5・6%減の510億円、経常利益は同5・2%減の550億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同5・6%減の340億円と、いずれも下方修正した。

