塗料・塗装設備展、パビリオン最大規模を記録
RX Japanは、11月月12日から14日まで、千葉県美浜区中瀬の幕張メッセで第8回「塗料・塗装設備展(コーティングジャパン)」を開催した。来場者は併設展示会と合わせ4万6813人(主催者発表・速報)だった。同展は日本塗料工業会が共催となり、塗料・コーティングから塗装機などが一堂に集結する塗料・塗装の専門展である。

塗料・塗装設備展全景(IECブースCATWALKから撮影)
今回は「PAINT PAVILION」において関西ペイント、大日本塗料、日本ペイントが出展。その他、水谷ペイント、中国塗料、神東塗料、斎藤塗料、ユニオンペイントグループ、東洋アルミ、ミラクール、トップ工業、シグナルショーアップの各社が簡易出展した。またイサム塗料等が、単独で出展した。
日塗工ブースと隣接して日本塗装機械工業会(CEMA)、国際工業塗装高度化推進会議、日本工業塗装協同組合連合会、コーティングコンソーシアム(CoCo)、塗料報知新聞社、が共同ブースを構え活動した。
塗装設備関連の展示では、人手不足、熟練技能者不足対策として塗装ロボットによる自動化が注目された。特に「協働ロボット」や「ティーチング」が主要テーマとなっていた。従来、塗装ロボットは安全柵で隔離した空間で稼働していたが、協働ロボットは人間と塗装ロボットが同じ作業エリアで作業を行うことができる。塗装協働ロボットは、有機溶剤を使う場合、防爆要件が厳しく、火災や爆発リスクの観点から難しい。現実的には、防爆仕様ロボット、有機溶剤を使わない水性塗料や粉体塗料での採用が進むだろうとのことである。
また、塗装ロボット採用にはティーチングが課題になっている中で、ダイレクトティーチング(手動ティーチング)も主流となり、さらにスキャナーによるティーチングやIT・AI技術を使った新しいティーチングが今回の展示会では、紹介されていた。今後の塗装ロボットのさらなる普及が期待される。
来場者から年々多く聞かれるようになったのが「外注していた塗装を内製で進めたい」という声だ。「お願いしていた塗装事業者が廃業になった」「内製して、生産タクトを短くしたい」「塗装は海外で行っていたが、リスク分散のため国内工場でも塗装を行う」等、内製での塗装を検討。展示会で情報を求めに来たという来場者が多く、塗料報知ブースにも相談が多く寄せられた。
また同展は、3日間通して「塗料・塗装セミナー」14本が行われ、各種専門の知や技術を披露する場となった。13日午後6時からは、同展懇親交流会が開かれ、日本塗料工業会専務理事の児島與志夫氏が「今回は、過去最大面積のパビリオンで活動を展開した。昨今、なかなか交流の場が少ないなか、業界の垣根を越えた交流で、各業界がますます発展することを願う」と、あいさつした。

