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JAPAN BUILD、塗装技術を実演公開

建築・土木・不動産の先端技術展「第10回ジャパンビルド東京」が12月10日から3日間、東京都江東区有明の東京ビッグサイトで開催された。建物リニューアルEXPO内には、日本塗料工業会・日本塗料商業組合・日本塗装工業会が中心となる「Paint Pavilion」が設けられ、塗料報知新聞社も連携して出展した。
 
同パビリオンでは、昨年に続き日本塗装工業会による塗装デモンストレーションを実施。今回は日塗装技能委員会の松田克巳氏が実演を担当し、来場者との会話を交えながら進行した。

塗料・塗装の歴史を分かりやすく解説する清水氏

11日には、東京都内の小学生を対象とした見学会も行われた。日塗工普及広報部長の清水慶司氏はデモに先立ち、ブースに掲示した「塗料と塗装の歴史」について説明。その後、段ボールや木目用ローラーを用いた木目調表現の実演を行い、短時間で模様が浮かび上がる様子に小学生から歓声が上がり、塗装の面白さを直感的に伝える場となった。清水氏は今回の試みに対し「建物の中でどのような仕事が行われているのかを、現場の雰囲気とともに感じてもらえれば」と話し、次世代への理解促進に期待を寄せた。

松田氏の話術と木目塗装に魅了される小学生たち

一方、松田氏は塗装の仕事について「塗装は準備が8割。残りの2割は現場での対応力」と語り、仕上がりを左右する下準備の重要性を強調。「黙々と塗るだけでなく、見ている人と話しながら楽しく伝えることも、今の職人には求められている」と述べ、技能の〝見せ方〟にも言及し、今回のデモンストレーションはその機会となった。
 
このほか、大塚刷毛製造によるデモンストレーションも実施。スポンジローラーを用いたメタリック塗料の施工を紹介し、塗料量の調整や塗り重ねによる意匠性の高い仕上げを披露した。スプレーに頼らず、ローラーで多彩な表情を生み出す提案が来場者の関心を集めていた。
 
ペイントパビリオンの各ブースの概要・出展製品は、以下の通り。
大塚刷毛製造の3次元データ計測アプリ「マプリィ塗装」は対象物をiPhone・iPadで動画を撮る感覚で瞬時に3D画像を作成し、塗装面積を算出できる。その他、全て樹脂製で画期的な刷毛「プラグレシリーズ」、ヘッド部を交換できる新時代の刷毛「SWITCH」、バランスの優れた無泡タイプローラー「Ⓣ Sky」、毛が開いて吐出し性抜群な「Ⓣスクリュー」を展示。また、「RCエアシェルター」は、熱中症対策、雨養生などに有効で現場環境を改善する。

カシューは、竹中工務店、長瀬産業、ナガセケミカルと共同開発した準不燃材料を始めとする3製品の展示を行った。この準不燃材料は、スギCLTに透明度・耐久性に優れた難燃化塗料を塗布し、高い透明性と耐久性を有し、難燃性も兼ね備え準不燃材料の国土交通大臣認定を取得した。また「ビュータックファインΣシリーズ」は耐候性に優れ塗装後のメンテナンスの手間を大幅削減。「エレコンカラー(溶剤系)」「アクアエレコン2000(水系)」は塗膜で静電気を抑制する。
 
関西ペイントでは、住環境改善、外壁長期防汚、防災備蓄といったテーマに分け、それぞれに該当する6製品を展示した。その中で、一押しとする製品は「水性アジャスト」で、水性塗料用の希釈剤・洗浄剤である。同製品で希釈することにより、表面乾燥を若干遅らせることで作業時間の延長を実現。塗り継ぎしても肌荒れしにくく、入り隅など厚膜時のワレも抑制する。また、現場で使用した刷毛やローラーの洗浄性に優れている。漬け置きによる腐敗の防止効果も高い。
 
シグナルSHOWUPは、12月20日発売するメッキ調塗料の「KROMA EDGE」を展示。同塗料は、主剤に硬化剤を入れる2液型の塗料で金属調の塗装が表現できる。一般的にメッキ調の塗装は、クリヤー後の曇りが見られる課題があった。今回の新製品は、金属粒子が並列になるよう塗膜設計され、鏡面反射と深みのある意匠が特徴。ウェットオンウェットで塗装し、2回塗り。最後にクリヤー塗装を行う。カスタムペイントや工業塗装分野での採用用途に期待がある。
 
日本ペイントは、個別の製品アピールよりも、各種のメンテナンス施工における最適製品が一目で分かる工夫を実施した。「マンションの外壁塗装リノベーション」「工場・倉庫メンテナンスパッケージ」「工場DIY設備営繕パッケージ」の3カテゴリーを設定。マンションでは大規模修繕工事の省工程・省コスト化を、工場・倉庫では各部位における推奨製品を、そして工場DIYではニッペホームプロダクツやエーエスペイントの製品を用いたDIYによる営繕提案を行った。
 
日本特殊塗料は、塗り床材、防水材、プライマーの3製品を展示し、いずれも環境に配慮した製品が並んだ。「ユータックコンプリート軟黄変BIO」は、植物由来のバイオマスマーク認定、8色を揃える。同製品の3つの極みが塗床材の限界を塗り替える。「NTクイックウレア」は、施工後2~3時間程度(23℃)で次工程に進むことができる。「TMRプライマー」は幅広い既存塗膜に適応する。上塗の仕上りを滑らかにし、既存塗膜をしっかり修復する。
 
藤倉化成は、ペイントパビリオン初出展。建築用塗料の3製品をパネル出品し、いずれも意匠性の高い塗料が並んだ。水性艶消しメタリック調「フェロブリエ」は、ローラー施工でき、メタリック調特有の「キラメキ」と艶消しの「重厚さ」を併せもつ。また多彩柄の「ラピスグランデ」は、独自技術で高い塗りやすさと、デザイン性を両立。石目調の意匠は本格的である。珪砂入りの「シナジオ」は、水性艶消しのアクリルシリコン樹脂塗料。マットの仕上がりで超撥水性が特徴である。
 
好川産業は、初めてペイントパビリオンに出展し、基本製品のローラーとして「YKパターンローラー」を展示した。模様付けが簡単で、20種類のデザインパターンにより、表情豊かなテクスチャーを演出できる。意匠仕上げに不可欠でスポンジより施工効率が高い海綿ローラーや、天然海綿よりコストを抑えたスポンジ海綿ローラーもラインアップしている。使い慣れた塗料を用いて差別化を図りたいという塗装事業者のニーズに、簡単に意匠や装飾を表現できるツールである。