日塗工、建築塗料・塗装セミナーを開催
日本塗料工業会(毛利訓士会長)、日本塗料商業組合(中山保幸理事長)、日本塗装工業会(加藤憲利会長)で構成する塗料塗装普及委員会は、2025年度 建築塗料・塗装セミナーを2月5日午後1時15分から、東京塗料会館およびWEB配信の併用により開催した。
日塗工の児島與志夫専務理事による開会あいさつに続き、「建築塗料のトピックス」をテーマに講演が行われた。第1部では、日塗工技術委員会・建築塗料部会委員の津村昌伸氏が建築塗料市場の最新動向を解説。第2部では、同部会委員の原田賢治氏が建築塗料・塗装における不具合事例と対策について報告した。
第1部で津村氏は、日本の新設住宅着工数の推移や建築市場を取り巻く環境について解説した。住宅着工は社会情勢や経済動向の影響を受けやすく、資材価格や人件費の高騰、人手不足などを背景に建築コストが上昇していると指摘した。塗料全体の生産・出荷動向では、2024年度の生産数量は144万トンで前年度比99・2%、出荷数量は148万トンで同98・4%と数量面では減少した。一方、出荷金額は7433億円で同101・5%と増加しており、原材料や輸入価格の上昇を背景とした価格改定の影響が大きいと分析した。
需要産業別では、建物用塗料が全体の24・4%を占め、依然として最大の用途分野であると説明。内訳では、水系塗料の比率が高く、エマルションペイントと厚膜形エマルションを合わせて約65%を占め、水系化が進んでいると述べた。また、建築用塗料の内装分野では、JIS K 5663に規定される合成樹脂エマルションペイント(EP)の出荷数量は建築用全体の5~6%にとどまるものの、2021年以降は増加傾向にあるとした。
第2部で原田氏は、建築塗料・塗装において実際に発生している不具合事例と、その原因および再発防止策について解説した。
不具合の多くは下地処理不足や既存塗膜との適合性に起因しており、剥離や膨れ、割れといったトラブルにつながると指摘。特に改修工事では、既存塗膜の種類や劣化状態を正確に把握したうえでの材料選定や、事前の試験施工が重要になると説明した。さらに、温暖化による施工環境の変化や、高耐候性塗料の普及に伴い、従来とは異なる不具合や原因が生じている点にも触れ、不具合には必ず背景となる要因があることを踏まえ、最新の知見を把握しておく重要性を示した。
続いて「塗装業界における技能の伝承と担い手確保の取り組み」をテーマに講演が行われた。第1部では、日塗装技能副委員長の齊藤佳昭氏が、第28回全国建築塗装技能競技大会を通じて塗装の魅力や可能性を紹介。第2部では、同会副会長の若宮昇平氏が、技能実習・特定技能による外国人材受入れ(その2)~インドネシア、ベトナムでの職種説明会や自社のミャンマー人の育成状況を踏まえて~について報告した。
齊藤氏は、同大会の概要や競技内容を紹介し、全国から選抜された選手が高度な技能を競い合う場であると説明。競技を通じて、塗装の表現力や意匠性、技能の奥深さを発信できる点が大会の意義であると強調昨年9月に北海道札幌市で開催された第28回大会では、全国各地から集まった選手が課題制作に取り組み、仕上がりの精度や工程管理、表現力などを競ったと動画を交えて紹介。若手技能者の目標となる場であり、技能継承や人材育成の面でも重要な役割を果たしているとした。
続いて若宮氏は、海外で実施した職種説明会の概要や外国人材受入れの現状について報告した。技能実習制度や特定技能制度の仕組みを整理したうえで、インドネシアやベトナムでの説明会の手応えや、自社におけるミャンマー人材の育成事例を紹介した。外国人材の受入れには、制度理解に加え、現場での教育体制の整備や円滑なコミュニケーションが不可欠であると指摘。人材を確保するだけでなく、定着・育成につなげることが重要であり、担い手確保に向けた継続的な取組みの必要性を強調した。
