WEB塗料報知|塗料・塗装、コーティング業界のプラットフォーム

【決算】アネスト岩田、売上増も利益減で着地

アネスト岩田(三好栄祐社長)は5月9日、2025年3月期連結決算を発表した。売上高は前年同期比1・8%増の544億1100万円、営業利益は同4・4%減の59億300万円、経常利益は同10・6%減の71億3900万円、親会社株主に帰 属する当期純利益は同13・3%減の42億7600万円となった。
 
セグメント別の業績については、日本は、圧縮機製品では小形圧縮機において業界全体の出荷台数が伸び悩んでいるものの、価格改定の浸透や販促キャンペーンの効果などにより売上は伸長した。真空機器製品では、最終の向け先である中国市場の需要が縮小したことにより、半導体製造関連装置メーカー向けポンプの売上が減少した。塗装機器製品では、ハンドスプレーガンの売上は横ばいで推移した一方で、塗料供給機器や塗料以外の液体を塗布する機器の販売が拡大したことで、総じて売上は伸長した。塗装設備製品では、自動車生産を中心とした塗装設備において少ない期初受注残を期中の受注獲得でカバーできず、売上が減少した。これらの結果、売上高は同5・6%減の248億4700万円、セグメント利益は同23・6%減の26億2千万円となった。
 
欧州は、圧縮機製品ではOEM先における需要動向の変化などにより、オイルフリー圧縮機の売上が減少した。塗装機器製品では、自動車補修市場向けスプレーガンおよび木工市場向け塗装用ユニットの販売が継続して堅調に推移したことや、ドイツ子会社にてエアーブラシの売上が好調なことから欧州全域で売上が伸長した。これらの結果、売上高は同8・1%増の101億3700万円、セグメント利益は同0・1%減の8億2800万円となった。
 
米州は、圧縮機製品ではアメリカにおいて主に医療市場向けオイルフリースクロール圧縮機の売上が増加した。真空機器製品では、アメリカで前連結会計年度に見られたスポット需要がなく売上が減少した。塗装機器製品では、アメリカにおいて木工市場向け塗装ユニットの販売が堅調に推移したことや、ブラジルでもハンドスプレーガンの販売が好調に推移したことで、売上が伸長した。これらの結果、売上高は同2・6%増の74億4600万円、セグメント利益は同3・2%減の8億9800万円となった。
 
中国は、圧縮機製品では現地子会社による輸出販売が堅調に推移したものの年度末にかけては伸び悩みが見られた。また、国内販売は依然として厳しい状態が続いており、総じて売上は減少した。真空機器製品では、リチウムイオン電池製造関連装置向け真空ポンプ売上が業績を下支えしたが、年度末にかけて需要は縮小した。塗装機器製品では、中国経済低迷の影響が続いており、売上は減少した。塗装設備製品では、主に機械部品や樹脂成型品の生産に関連する塗装設備の納入が完了したことにより、売上が伸長した。これらの結果、売上高は同1・3%増の125億6700万円、セグメント利益は同9・1%増の8億8200万円となった。
 
その他は、圧縮機製品ではインドの汎用市場において中形圧縮機の売上は前年度を下回ったものの、小形圧縮機の売上は伸長した。東アジアにおいては汎用市場向け小形圧縮機の需要が拡大し、全体を牽引した。塗装機器製品では、インドやオーストラリアにおいて自動車補修市場向けや工業塗装市場向けハンドスプレーガンの売上が伸長した。塗装設備製品では、東南アジアにおいて期初の受注残のみならず期中の受注獲得も厳しい状態が続いた。インドにおいても引き合い案件が期中の売上に至らず、売上は減少した。これらの結果、売上高は同1・2%減の99億4800百万円、セグメント利益は同3・4%減の15億4600万円となった。
 
2026年3月期の通期業績予想は、売上高は同6・6%増の580億円、営業利益は同6・0%減の55億5千万円、経常利益は同6・0%減の67億1千万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同3・0%減の41億5千万円を見込む。