【決算】中国塗料、売上増で営業利益二桁増
中国塗料(伊達健士社長)は7月31日、2026年3月期第1四半期連結決算を発表した。売上高は前年同期比12・1%増の325億8900万円、営業利益は同16・5%増の39億2200万円、経常利益は同2・4%増の39億6600万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期に特別利益を計上していた反動等により、同48・9%減の25億3100万円となった。
セグメント別の経営成績で日本は、船舶用塗料において新造船では、需要が堅調に推移するなか製造コストに見合った販売価格の適正化を継続して推進したことなどにより、売上高は増加した。修繕船では、大型案件の比率が低下したことなどから減収となった。工業用塗料では、販売価格の適正化を推進したほか、重防食塗料および建材用塗料ともに需要の回復が見られたこともあり、販売量は増加した。その結果、売上高は同1・7%減の106億6900万円となった。損益面では、原材料価格の上昇が見られるなか、新造船向けで低採算案件が残るものの、全体的に製造コストに見合った販売価格の適正化や高付加価値製品の拡販に努めたことにより、セグメント利益は同12・2%増の6億6900万円となった。
中国は、船舶用塗料において、新造船向けは前年同期に工程遅延の影響で出荷量が減少していた反動もあり、売上高は大幅な増収となった。修繕船向けでは、当該期間における入渠船が減少し、売上高は横ばいで推移した。工業用塗料では、重防食塗料の出荷が減少した。その結果、売上高は同20・8%増の48億5100万円となった。損益面では、増収効果によりセグメント利益は同22・2%増の6億9600万円となった。
韓国は、船舶用塗料においては、主力の新造船向けでは主要の造船所で大型案件の増加や建造工程の前倒しなどにより出荷量が増加したほか、環境対応型塗料の販売や製造コストに見合った販売価格の適正化を推進したことから、売上高は大幅に増加した。その結果、売上高は同29・0%増の45億4900万円となった。損益面では、高付加価値製品の販売が寄与し、セグメント利益は同125・3%増の6億5500万円となった。
東南アジアは、船舶用塗料ではタイやミャンマーで修繕船向けの需要が堅調に推移したことにより、売上高は増加した。工業用塗料は、主力のタイにおいて政治的混乱による公共事業の遅延に加えて民間投資も減少しているなか、重防食案件の需要が低調に推移したことで出荷量は減少した。コンテナ用塗料は、マレーシアにおいて大口顧客におけるコンテナの生産調整の影響により減収となった。その結果、東南アジア全体の売上高は同3・3%増の44億4100万円となった。損益面では、各種経費の増加によりセグメント利益は同2・8%減の8億5900万円となった。
欧州・米国では、船舶用塗料のうち修繕船向けでは、当該期間における入渠船が増加し、燃費規制の対応を始めとする環境対応型製品の需要が高まるなかで高付加価値製品の販売に注力したほか、製造コストに見合った販売価格の適正化を行ったこと等により売上高は増加した。その結果、売上高は同26・5%増の80億7800万円となった。損益面では、各種経費の増加によりセグメント利益は同9・3%減の4億8700万円となった。