【決算】中国塗料、売上増で営業利益二桁増
中国塗料(伊達健士社長)は10月31日、2026年3月期第2四半期(中間期)連結決算を発表した。売上高は前年同期比8・9%増の685億700万円、営業利益は同14・1%増の90億5100万円、経常利益は同3・6%増の88億1500万円、親会社株主に帰属する中間純利益は、前年同期に特別利益を計上していた反動等により、同29・0%減の59億1400万円となった。
セグメント別の経営成績で日本は、船舶用塗料において新造船向けでは、需要が堅調に推移するなか製造コストに見合った販売価格の適正化を継続して推進したことなどにより、売上高は増加した。修繕船向けでは、第1四半期は大型案件の比率低下等により減収となっていたものの、その後は大きく持ち直し、増収に転じた。工業用塗料では、販売価格の適正化を推進したほか、重防食塗料および建材用塗料ともに需要の回復が見られたこともあり、販売量も増加した。その結果、売上高は同3・6%増の222億9900万円となった。損益面では、原材料価格の上昇が見られるなか、新造船向けで低採算案件が残るものの、全体的に製造コストに見合った販売価格の適正化や高付加価値製品の拡販に努めたことにより、セグメント利益は同49・2%増の18億9千万円となった。
中国は、船舶用塗料において、新造船向けは前年同期に工程遅延の影響で出荷量が減少していた反動もあり、売上高は大幅な増収となった。修繕船向けは、競争力向上のため販売価格の調整を行ったこと等により出荷量は増加したものの、減収となった。工業用塗料では、重防食向けの出荷が堅調に推移した。その結果、売上高は同10・8%増の108億4600万円となった。損益面では、高付加価値製品の販売が寄与し、セグメント利益は同3・1%増の16億700万円となった。
韓国は、船舶用塗料においては、主力の新造船向けでは主要な造船所で大型案件の増加や建造工程の前倒しなどにより出荷量が増加したほか、環境対応型塗料の販売や製造コストに見合った販売価格の適正化を推進したことから、売上高は大幅に増加した。その結果、売上高は同13・1%増の95億7800万円となった。損益面では、高付加価値製品の販売が寄与し、セグメント利益は同56・7%増の13億5100万円となった。
東南アジアは、船舶用塗料では修繕船向けの販売が堅調に推移したことや、プレジャーボート向けの出荷が大きく伸長したことにより、売上高は増加した。工業用塗料は、主力のタイにおいて政治的混乱による公共事業の遅延に加えて民間投資も減少しているなか、重防食案件の需要が低調に推移したことで出荷量は減少した。コンテナ用塗料は、マレーシアにおいて大口顧客におけるコンテナの生産調整の影響により減収となった。その結果、売上高は同3・3%増の92億4200万円となった。損益面では、原材料調達コストの低下もあり、セグメント利益は同2・8%増の18億6200万円となった。
欧州・米国では、船舶用塗料のうち修繕船向けでは、当該期間における入渠船が増加し、燃費規制の対応を始めとする環境対応型製品の需要が高まるなかで高付加価値製品の販売に注力したほか、製造コストに見合った販売価格の適正化を行ったこと等により、売上高は増加した。工業用塗料は、イタリアにおける買収子会社の事業を取り込んだことにより増収となった。その結果、売上高は同16・3%増の165億4千万円となった。損益面では、システム関係など経費の増加により、セグメント利益は同35・2%減の9億2100万円となった。
なお、今年5月9日に公表した通期連結業績予想を修正。売上高は予想より3・0%増の1370億円、営業利益は同9・4%増の175億円、経常利益は同7・3%増の177億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同4・5%増の115億円と、いずれも上方修正した。

