【決算】大日本塗料、売上微増も利益減少
大日本塗料(里隆幸社長)は5月15日、2025年3月期連結決算を発表した。売上高は前年同期比0・8%増の725億1100万円、営業利益は同3・8%減の47億1600万円、経常利益は同2・6%減の51億9900万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同105・1%増の94億3700万円となった。
セグメント別の業績では、国内塗料事業は、一般用分野は不適切行為問題による需要減少の影響により、売上高は前期を下回った。工業用分野は、金属建材用途などの一部市況の回復や過年度より進めてきた価格是正の進展により、売上高は前期を上回った。インク・分散技術関連では、新製品の拡販やディスプレイ用途への採用が進展し、売上高は前期を上回った。この結果、売上高は同0・7%増の509億2100万円となった。営業利益は、基幹システム更新に伴う一過性の費用増加や人件費等の増加により、同10・6%減の19億6800万円となった。
海外塗料事業では、東南アジアは、自動車生産台数の減少影響や建材用塗料の需要減少により、売上高は前期を下回った。メキシコは、自動車生産台数の増加および新規取引の需要増加により、売上高は前期を上回った。中国は、日系自動車メーカーの低迷や金属建材向けの需要減少により、売上高は前期を下回った。この結果、売上高は同4・7%減の81億3300万円となった。営業利益は、東南アジア及び中国における売上減少に伴う利益率低下により、同42・6%減の2億3800万円となった。
照明機器事業は、業務用LED照明分野では、好調なインバウンド需要や都市部再開発を背景に商業施設や宿泊施設向けを中心に需要が堅調に推移したほか、販売価格の改善が進展し、売上高は前期を上回った。UVランプ分野は、紫外線殺菌用途の需要は堅調なものの、一部製品の需要が減少し、売上高は前期を下回った。蛍光ランプ分野は、販売価格の改善に継続して努めたものの市場縮小に伴う需要の減少により、売上高は前期を下回った。この結果、売上高は同7・6%増の104億1800万円となった。営業利益は、人件費の増加や本社移転による減価償却費の増加等があったが、業務用LED照明分野における大幅な増収により費用増加を吸収し、同9・2%増の20億6300万円となった。
蛍光色材事業は、顔料分野ではEU地域等の海外向け需要が回復し、売上高は前期を上回った。加工品分野では、安全対策用塗料の需要は堅調に推移しているものの、テープ製品の需要が減少し、売上高は前期を下回った。この結果、売上高は同1・4%減の11億5800万円となった。営業利益は、製品ミックスの改善や経費抑制により、同110・7%増の5900万円となった。
その他事業は、物流事業は、物流業界における各種コストの上昇に対して単価改善に努めたものの取扱量が減少し、売上高は前期を下回った。塗装工事事業は、工事受注が減少し、売上高は前期を下回った。この結果、売上高は同5・9%減の18億7900万円、営業利益は同42・3%減の7900万円となった。
2026年3月期の通期業績予想は、売上高は同26・9%増の920億円、営業利益は同6・0%増の50億円、経常利益は同1・9%増の53億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同64・0%減の34億円を見込む。