大日本塗料、神東連結化で増収見込む
大日本塗料は、2025年3月期決算の説明会を5月22日午後3時30分から東京都千代田区丸の内の丸ビルコンファレンススクエアでWEBと併せて開催した。今期は売上高で国内外の塗料売上が弱含みのため、前年同期比0・8%増の725億1100万円、営業利益は国内塗料のコスト増加と海外塗料の収益率低下で同3・8%減の47億1600万円となった。
国内塗料は不適切行為問題による販売不振で、構造物用塗料を中心に売上が伸び悩んだ。海外塗料は東南アジア各国において日系自動車メーカーの低迷、並びに建材用塗料の需要減の影響を受けている。一方、照明事業のLEDはインバウンド需要、都市部再開発、販売価格の改善によって増収増益に、特に営業利益は過去最高を達成した。
次期業績予想で売上高を同26・9%増の920億円と見込んでいるが、これは神東塗料の連結子会社化によるもの。同社とは塗料事業の基盤拡大や事業効率化のために、事業提携コミッティを設置。傘下に調達、生産、人財等に関する分科会を立ち上げ、短期・長期両面からシナジー効果を発揮する体制構築を目指す。生産最適化としては、生産設備の共有・集約で品目やライン整理統合などを進める。
海外事業では、不振の中国事業を見直し。事業譲渡や生産委託等を視野に入れて特定顧客との交渉を実施している。
また、成長市場と先駆的領域への注力として、ライフサイエンスとナノコート材の両領域を挙げている。ライフサイエンスはTOPPAN社と共同開発のイムノクロマト試験の定量化を実現。今年1月から米国で販売開始したことに続き、順次展開を進める。ナノコート材については機能性酸化物を独自技術で分散。帯電防止コーティング材や熱線吸収コーティング材に展開する。