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【決算】大日本塗料、売上伸長も利益は減少

大日本塗料(里隆幸社長)は8月8日、2026年3月期第1四半期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比27・6%増の223億円、営業利益は同35・4%減の7億500万円、経常利益は同38・6%減の8億4800万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同67・2%減の3億8100万円となった。
 
売上高は、一部製品におけるJISマーク表示の一時停止処分による影響により販売が低調に推移するなか、前期に連結子会社となった神東塗料グループの損益を当第1四半期より連結に含めたことにより、前年同期を大きく上回った。
 
利益面は、販売の伸び悩みによる収益性の低下に加え、人材強化を目的とした人件費の増加等を中心とした経費増の影響が大きく、営業利益および経常利益は前年同期を下回った。親会社株主に帰属する四半期純利益は、前期に計上された子会社株式売却益の剥落もあり、前年同期を下回った。
 
セグメント別の経営成績で、国内塗料事業については、一般用分野は、JIS影響の継続により販売が低調に推移し、売上高は前年同期を下回った。工業用分野は、自動車部品用途などの一部市況が低調に推移し、売上高は前年同期を下回った。インク・分散技術関連は、需要の堅調な推移に加え新規顧客の獲得により、売上高は前年同期を上回った。セグメント全体の売上高は、神東塗料グループの連結寄与により前年同期比で大きく増加した。営業利益は、製品ミックスの改善や価格是正に継続して取り組んだものの、販売の伸び悩みによる収益性の低下に加え、人材強化に向けた人件費の増加等の経費増加により、前年同期を下回った。この結果、セグメントの売上高は同 39・4%増の172億8700万円、営業利益は同 65・8%減の1億4900万円となった。
 
海外塗料事業で東南アジアは、日系自動車メーカーの生産低迷による影響で需要が減少したものの、神東塗料グループの連結寄与により、売上高は前年同期を上回った。メキシコは、日系自動車メーカーの生産台数増加を受け、売上高は前年同期を上回った。中国は、各種工業用途における需要の減少により、売上高は前年同期を下回った。営業利益は、メキシコにおける増収が寄与し前年同期を上回った。この結果、セグメントの売上高は同3・5%増の20億3400万円、営業利益は同 48・2%増の1億1200万円となった。
 
照明機器事業は、LED照明分野は再開発案件を中心とした商業施設向けや宿泊施設向けの堅調な需要に支えられ、売上高は前年同期を上回った。一方、UVランプ分野における特定顧客向けの需要の減少や、蛍光灯分野における市場縮小による需要の減少等により、セグメント全体の売上高は前年同期を下回った。営業利益は、価格戦略により収益性のさらなる向上を図ったものの、前期に実施した本社移転に伴う減価償却費の増加や人材強化に向けた人件費の増加が影響し、前年同期を下回った。この結果、セグメントの売上高は同 3・9%減の22億7400万円、営業利益は同 26・4%減の3億4400万円となった。
 
蛍光色材事業で顔料分野は、EU地域等における海外向け需要の回復により、売上高は前年同期を上回った。加工品分野は、前期における大口物件の剥落により、売上高は前年同期を下回った。営業利益は、経費の圧縮に努めたものの売上高の減少が影響し、前年同期を下回った。この結果、セグメントの売上高は同 4・3%減の2億7900万円、営業利益は同 8・5%減の1200万円となった。
 
その他事業で物流事業は、取扱量の減少により、売上高は前年同期を下回った。塗装工事事業は工事受注が減少し、売上高は前年同期を下回った。営業利益は、塗装工事において収益率の高い物件受注の増加により、前年同期を上回った。この結果セグメントの売上高は同6・4%減の4億2500万円、営業利益は同 11・7%増の1800万円となった。