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【決算】大日本塗料、売上伸長も利益は減少

2025.11.27

大日本塗料(里隆幸社長)は11月7日、2026年3月期第2四半期(中間期)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比27・2%増の459億6500円、営業利益は同28・0%減の18億1700万円、経常利益は同23・2%減の21億2400万円、親会社株主に帰属する中間純利益は同48・3%減の14億500万円となった。
 
売上高は、一部製品におけるJISマーク表示の一時停止処分による影響により販売が低調に推移するなか、前期に連結子会社となった神東塗料グループの損益を当期より連結に含めたことにより、前年同期を大きく上回った。利益面は、販売の伸び悩みによる収益性の低下に加え、人材強化を目的とした人件費の増加等を中心とした経費増の影響が大きく、営業利益および経常利益は前年同期を下回った。親会社株主に帰属する中間純利益は、前期に計上された子会社株式売却益の剥落もあり、前年同期を下回った。
 
セグメント別の経営成績では、国内塗料事業は、一般用分野はJIS影響の継続により販売が低調に推移し、売上高は前年同期を下回った。工業用分野は、自動車部品用途などの一部市況が低調に推移し、売上高は前年同期を下回った。インク・分散技術関連は、需要の堅調な推移に加え新規顧客の獲得により、売上高は前年同期を上回った。セグメント全体の売上高は、神東塗料グループの連結寄与により前年同期比で大きく増加した。営業利益は、製品ミックスの改善や価格是正に継続して取り組んだものの、販売の伸び悩みによる収益性の低下に加え、人材確保・育成に向けた人件費の増加等の経費増加により、前年同期を下回った。この結果、セグメントの売上高は同 38・5%増の354億6600万円、営業利益は同 51・9%減の5億4200万円となった。
 
海外塗料事業は、東南アジアは日系自動車メーカーの生産低迷による影響で需要が減少したものの、神東塗料グループの連結寄与により、売上高は前年同期を上回った。メキシコは、日系自動車メーカーの生産台数は増加したものの、低採算品の販売抑制により売上高は前年同期を下回った。中国は、各種工業用途における需要の減少により、売上高は前年同期を下回った。セグメント全体の営業利益は、メキシコにおける収益性の改善が寄与し、前年同期を上回った。この結果、セグメントの売上高は同 0・8%増の41億5500万円、営業利益は同 55・8%増の2億3900万円となった。
 
照明機器事業は、LED照明分野は再開発案件を中心とした商業施設向けや宿泊施設向けの堅調な需要に支えられ、売上高は前年同期を上回った。一方、UVランプ分野における特定顧客向けの需要の減少や、蛍光灯分野における市場縮小による需要の減少等により、セグメント全体の売上高は前年同期を下回った。営業利益は、価格戦略により製品収益性のさらなる向上が進展したものの、前期に実施した本社移転に伴う減価償却費の増加や人材確保・育成に向けた人件費の増加が影響し、前年同期を下回った。 この結果、セグメントの売上高は同 1・1%減の48億7700万円、営業利益は同 18・1%減の8億4400万円となった。
 
蛍光色材事業は、顔料分野はEU地域等における海外向け需要の回復や文具向けへの新規採用により、売上高は前年同期を上回った。加工品分野は、前期における大口物件の剥落により、売上高は前年同期を下回った。セグメント全体の営業利益は、経費の圧縮に努めたものの売上高の減少および原材料費の高騰が影響し、前年同期を下回った。この結果、セグメントの売上高は同3・7%減の5億3千9百万円、営業利益は同 44・1%減の1800万円となった。
 
その他事業は、物流事業は取扱量の減少により、売上高は前年同期を下回った。塗装工事事業は、工事受注が回復し、売上高は前年同期を上回った。セグメント全体の営業利益は、塗装工事において収益率の高い物件受注の増加により、前年同期を上回った。この結果、セグメントの売上高は同 1・0%増の9億2600万円、営業利益は同 71・0%増の2800万円となった。
 
なお、今年5月15日に公表した通期連結業績予想を修正。売上高は920億円のまま据え置いたが、営業利益は18・0%減の41億円、経常利益は同18・9%減の43億円、親会社に帰属する当期純利益は同14・7%減の29億円と下方修正した。