【決算】藤倉化成、売上増で経常利益伸長
藤倉化成(栗原進社長)は5月13日、2025年3月期連結決算を発表した。売上高は、前年同期比5・5%増の555億2800万円、営業利益は同0・5%増の13億600万円、経常利益は同10・1%増の20億3300万円、親会社株主に帰属する当期純利益は52・5%減の5億1100万円であった。
セグメント別の経営成績では、コーティングセグメントは、自動車向け塗料の国内販売は、一部顧客の生産停止や減産の影響もあり、低調に推移した。海外の販売は、北米市場に需要減少の動きはあるものの、堅調に推移した。一方、中国、欧州、タイの市場においては販売が低調に推移する結果となった。非自動車分野では、化粧品容器用塗料は海外での新規案件の獲得等もあった一方、国内化粧品メーカーの販売不振等により、国内での販売が低調な結果となった。ホビー用塗料は、国内、海外ともに販売が堅調に推移した。この結果、売上高は同1・8%減の288億7400万円、営業利益は同48・1%減の6億8300万円となった。
塗料セグメントは、新築用塗料の販売は、主要顧客からの受注が回復せず前年を下回る結果となった。リフォーム用塗料は、新製品の投入によるシェアアップや集合住宅向けリフォーム用塗料の販売が寄与し堅調に推移した。この結果、売上高は同4・4%増の116億7500万円、営業利益は同106・7%増の3億3500万円となった。
電子材料セグメントは、車載用のシートベルト向け製品が第4四半期で下振れしたものの、PC向けやカーナビディスプレイ向け製品の販売が好調に推移した。この結果、売上高は同22・5%増の39億6800万円、営業利益は3400万円(前年度は営業損失1億4300万円)となった。
化成品セグメントは、ファイン材料や粘着剤、レジン、電荷制御剤等の分野で好調な結果となった。メディカル材料分野では、主力の糖尿診断薬試薬が海外での販売が堅調に推移したが、その他分野で苦戦を強いられた。この結果、売上高は同10・5%増の45億9200万円、営業利益は2億2900万円(前年度は営業損失4900万円)となった。
合成樹脂セグメントは、上期は新規獲得した北米向けのアクリル樹脂原料の販売が堅調に推移したが、下期に入り在庫調整等が行われた影響で失速した。リチウムイオン電池用増粘剤の販売も引き続き低調な結果となった。この結果、売上高は同38・8%増の64億1900万円、営業利益は同62・6%増の2400万円となった。
2026年3月期の通期業績予想は、売上高は同0・9%増の560億円、営業利益は同14・9%増の15億円、経常利益は同11・5%減の18億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同134・8%増の12億円を見込む。