【決算】菊水化学工業、需要低調で業績減
菊水化学工業(今井田広幸社長)は5月14日、2025年3月期連結決算を発表した。売上高は前年同期比4・5%減の213億9千万円、営業利益は同52・2%減の2億6400万円、経常利益は同46・2%減の3億4100万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同55・9%減の1億6500万円であった。
同社グループでは、原材料価格およびエネルギー価格高騰への対応とする価格改定を適時行い、ストック物件が拡大している改修市場を中心に、ニーズにマッチした製品の普及・提案に努めることで、製品販売および責任施工による工事受注の拡大に取り組んだ。
改修市場では、アスベストの除去や飛散防止を含む「環境対策」、屋根・壁に施工する遮熱・断熱塗料で「省エネ対策」、劣化した打放しコンクリートの質感を復元する「美観回復」、外壁タイルの落下を抑止する「剥落対策」、中性化・塩害により劣化したコンクリート構造物の「機能回復」、内壁・地下ピットでの「漏水対策」など、建物や構造物の困り事を、製品販売および完成塗膜を提供する責任施工で解決することを社会的使命としてとらえ、活動した。
また、社会インフラ市場への展開として、断面修復材を中心に新たな需要の拡大に努めたが、物価高による消費マインドの変化で、戸建て住宅の塗り替えが低迷したことから、需要が低調に推移した。利益面では、売上高減少の影響と、今期実施した基幹システムの移行に伴う在庫の計算方法の見直しを行い、原価差異の会計処理を変更したことによる当期売上原価計上額の2億14百万円の増加、及びシステム障害の経費増加により減益となった。
2026年3月期の通期業績予想は、売上高は同5・2%増の225億円、営業利益は同145・4%増の6億5千万円、経常利益は同102・1%増の6億9100万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同161・1%増の4億3300万円を見込む。