ランクセス、2025年収益改善予測
ランクセス日本法人は4月17日都内で2024年度の事業報告並びに2025年度の活動に関する記者発表を行った。2024年は需要の回復に加え稼働率の向上、コスト削減策により、収益が大幅に改善された。グローバル全体の売上高は前年比5%減の63億6600万ユーロである一方、収益の指標であるEBITDAは同20%増の614億ユーロであった。日本法人においての業績は非開示であるが、自動車、半導体分野が牽引して、目標額を達成したとのこと。
グローバル全体の2025年の業績見通しでは、欧州では弱く、アジは良好、アメリカは維持の需要動向を予測。分野では、自動車、農業、建設業は低調とした。
ランクセスではここ10年、M&Aを活発化させ収益性の低下している事業は売却し、2014年からポートフォリオを変革させてきた。特殊化学品に特化(主に添加剤、香料、活性剤・消毒剤)し、提供する市場や分野もバランス良く配分してきている。記者会見で米津潤一社長は「これからは自社の技術力が試される」と話し、意気込んだ。

ランクセス日本法人・米津潤一社長
同社の部門別の予測では、コンシューマープロテクション部門の顧客が堅調な成長を見せていることからも強気に予測。ほか、アドバンス中間体スペシャリティーアディティブス事業も微増を予測。アドバンス中間体の建築業界においては欧州で停滞していることから同分野は減少を予想している。
国内の塗料向けの顔料はサプライチェーンの供給不安から原料調達に幅を広げる顧客が見られることから引き合いが増えている。