【決算】日本ペイントHD、利益面で二桁増に
日本ペイントホールディングス(若月雄一郎社長、ウィー・シューキム社長)は8月8日、2025年12月期第2四半期連結決算を発表した。売上収益は、今年3月に買収完了したグローバル・スペシャリティ・フォーミュレーターであるAOC、LLCをはじめとした企業群を傘下とするLSF11 A5 TopCo LLC(AOC)による業績寄与などにより、前年同期比4・3%増の8524億2800万円)、営業利益は同31・1%増の1211億7500万円、税引前利益は同29・1%増の1160億4500円、中間利益は同35・6%増の886億9400万円、親会社の所有者に帰属する中間利益は同34・4%増の874億5400万円と、利益面でいずれも前年比二桁増となった。
セグメント別の状況は次の通り。なお、当中間連結会計期間より、報告セグメントとしてAOCを追加している。
日本は、自動車用塗料の売上については、自動車生産台数が前年同期に減少した反動から増加したことにより、前年同期を上回った。工業用塗料の売上は、製品値上げの浸透が進んだものの、市況が低調に推移した影響を受けて、概ね前年同期並み。一方、汎用塗料の売上は、新製品をはじめとした高付加価値製品の拡販を進めたものの、物価高騰に伴い改修工事が低調に推移したことで、前年同期を下回った。この結果、売上は同3・5%増の1006億4400万円、営業利益は増収効果や販管費率の低下により、同9・5%増の99億1200万円であった。
NIPSEAは、自動車用塗料の売上については、タイにおいて自動車生産台数が前年同期を下回った影響を受けたものの、中国において自動車生産台数が前年同期を上回り、中国現地メーカー向けの販売が好調で前年同期を上回った。一方、汎用塗料の売上は、マレーシア、シンガポール等の主要市場において販売数量が増加したものの、その他のアジア地域において消費者センチメントなどの市況低下の影響を受け、前年同期を下回った。この結果、売上収益は同4・3%減の4383億7900万円、営業利益は原材料費率の改善やコスト削減策の奏功により、同12・0%増の691億3300万円となった。
DuluxGroupは、汎用塗料の売上については、太平洋において若干のシェア獲得や製品値上げの浸透などがあったものの、欧州においてフランスを中心とした軟調な市況の影響を受けたことにより、前年同期を下回った。その他周辺事業の売上も、太平洋におけるホームインプルーブメント市場の不振や、欧州におけるETICS(断熱材)需要低迷の影響で、前年同期を下回った。この結果、売上は同5・0%減の1886億1千万円、営業利益は同1・1%減の183億5900円であった。
米州は、自動車用塗料の売上については、自動車生産台数が減少したことにより、前年同期を下回った。汎用塗料の売上も、米国経済の不確実性と住宅市場の低迷継続による需要減少の影響を受け、前年同期を下回った。この結果、売上は同4・8%減の600億4100万円、営業利益は同19・4%減の39億500万円となった。
AOCは、その他周辺事業の売上が、主にマクロ経済環境の悪化に伴う市場需要低下の影響を受けた。この結果、売上は647億5300万円、営業利益は230億2千万円であった。