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インタビュー、和信ペイント 瀬川義浩社長

和信ペイント 代表取締役社長 瀬川義浩氏


啓蒙とプロモーションしっかりと

「第60回DIY HOMECENTER SHOW 2024」が8月29日から3日間、千葉県千葉市美浜区の幕張メッセで開催。同展に出展した和信ペイントの瀬川義浩社長にインタビューし、詳しく話を聞いた。

―現況をどのように捉えていますか。

家庭用塗料、DIY関係の塗料そのものの市況を見ますと低迷しているのが現状です。当社の状況ですが、売上が厳しい中で、通販関係は増えています。通販には力を入れているということもありますが、今夏はとても暑く、推測ですが外出を控える傾向から、通販に流れているのではないかと思われます。通販特定の業者に聞きましても、傾向として暑い時期は塗料の売上げが伸び悩みますが、特別な猛暑により出控えが進み通販が伸びたということでした。しかし、DIY全体が良くないですね。可処分所得が減っているので、DIY関係は一番先に締められてしまうのでしょう。今は、景気の回復を待つ状況です。

ワークショップなど多数展開


―以前から、DIYを良く知ってもらう勉強会のお話がありました。

勉強会は、ホームセンター塗料担当者の方々を地区ごとに集めていただき、実技をメインに行ったことで、充実した勉強会となりました。私どもメーカーが率先して啓蒙活動をしていかないといけないと考えておりますので、商談の中でも、各ホームセンターにお声掛けしているところです。もう一つは、今回も弊社ブースで行っているワークショップを、ホームセンターの店内でお客さんに参加していただきましょうと提案しているところです。勉強とプロモーションをセットにしてお願いしております。

―このようなことを全国各地でやっていけば広がっていきますね。

その通りです。しかし、なかなか手間がかかることなので、開催までの道のりは長く、労を厭わずに一つずつやっていけばできると信じています。

新製品「Easy Varnish」を中心に展示


―今回の展示についてお聞かせください。

新商品「Easy Varnish(イージー・ヴァーニッシュ)」を中心にアピールしています。対象を主にDIY中級者、いわばセミプロの方に向けた製品になります。簡単に塗れて、乾燥が早く、刷毛を使わずに塗れるといったことをコンセプトにした商品となります。 現状、ホームセンターではプロ需要が増えていますので、業者の方たちに使っていただけたら良いなと思っています。また、手軽に塗ることができますので、不慣れなDIY初心者の方にも使っていただけます。 今日の展示会でお披露目した製品ですので、今後の反響が楽しみです。

―いかに広めていくかですね。

また、当社は漆風塗料を扱っておりますが、既製品の油性タイプを廃番にして、水性タイプの漆風塗料を展開します。「匠」といいますが、油性の漆塗料に近づけた感じで、既成の水性タイプに比べて少し肉厚なタイプです。「和信の漆」には根強いファンがいますが、10数年前には油性の方が断然に売れていましたが、ここ数年で水性タイプの漆が全体の80%を占めており、水性に絞っていこうということになり、油性タイプの良さを取り入れた内容へ変更しました。


安心・安全な塗料をつくる

―「匠」のボトルは手に取ってみたくなる形状ですね。水性ということで環境対応を強く考えられていますか。

もちろんです。そこが基本です。SDGsというわけではないのですが、環境保全に繋がっていくと思います。有機溶剤を使わず、安心・安全な塗料を作りたいと思っています。これを大命題としてやっています。

―今後はどのような事業を展開していきますか。
 
DIY全般はなかなか厳しいこともあると思います。ぶれることなく、時代にあった良い製品を作り、そして、啓蒙とプロモーションをしっかり行っていく。それしかないと思っています。

―ありがとうございました。