工塗連、東京で通常総会&全国大会
日本工業塗装協同組合連合会(髙𣘺正会長)は、第50期通常総会と2025全国大会を9月19日午後2時から東京都台東区西浅草の浅草ビューホテルで開いた。ホストは東京工業塗装協同組合が務めた。全国大会では、約120人超の参加者を集め盛大に開かれた。
午後2時からの第50期通常総会では冒頭に髙𣘺会長=写真=が「諸先輩方の尽力もあり、50年という長きにわたり会を続けてくることができた。今後も皆様の力を借りながら、70年、80年、100年と続けていける会にしていきたい」と、同連合会が発足した昭和50年のエピソードを交えながらあいさつを述べた。
総会の議案事項は全て承認され、令和6年度の事業報告では、組合員の座談会「工業塗装ともの会」において、業務をはじめとしたDX化の意識の高まりが確認できたと報告。また、「金属製品塗装業」が「特定技能1号外国人」の雇用受入が可能となる特定産業分野に登録されたことで、日本工塗連は「工業製品製造技能人材機構」の正会員として加入したと発表があった。
今年度は傘下組合員の作業改善や生産の効率化の取組みを支援し、経営基盤の充実に結びつく活動を第一とするとしたうえで、特に次の項目に注力する。①塗装技能コンクールの充実や技術講習会の実施、工場見学会の開催などにより、全体の底上げを図る②環境問題、化学物質規制問題などの課題に対し、関係省庁とも情報交換を密にすることで、傘下組合員が安心・安全で働ける、人が集まる職場づくりを支援する③「ジュニア会」と「工業塗装ともの会」の活動を通して、将来業界を担う世代の地域間のネットワークを支援し、次世代の活性化のベースを作る。また、未加入事業者への組合への加入を推進する④若者や外国人の雇用、女性の塗装現場への進出などに関する課題を明確にし、各社の人材確保・育成を支援する。
続いて午後3時から同会場において「2025全国大会」が開かれた。ホストを務めた東京工業塗装協同組合の吉川孝理事長=写真=が開会のことばとして、「この50年で、PRTRやVOC排出量の削減などさまざまな課題に対応してきた。今はカーボンニュートラルだと思うが、業界4団体でCoCoという団体を設立した。業界全体でカーボンニュートラルなど課題に対して事業を進めている。CO2排出量のチェックリストを塗装工場向けに作成したので、活用して欲しい。CO2削減を進めていかないと、工業塗装自体がなくなるという危機感もあり、事業に協力して欲しい」などと述べた。
続いて、会長あいさつを工塗連の髙𣘺会長が行い、続いて来賓あいさつを経済産業省製造産業局素材産業課課長補佐の蝶野雅敏氏と、東京都中小企業団体中央会会長の會津健氏が祝辞を述べた。記念講演では、東京都立産業技術研究センターの小野澤明良氏が「マルチマテリアル化に向けたCFRPの表面処理」を、同センターの村井まどか氏が「建築物への木材利用と木材塗装について」講演し、普段金属塗装をメインとする組合員から別素材への知見が広がると好評であった。

全国大会の引継ぎで東京から埼玉へ
その後、午後5時から懇親会が盛大に開かれた。来賓のあいさつで日本塗装機械工業会会長の服部修一氏が「脱炭素という世界的な命題があり、今後さらなる業界連携が必要となる。各業界団体がさまざまな活動をしているが、重なっている取組みもある。連携して一緒に活動し、分かち合うことも必要ではと、ご提案したい」と、業界の連携を促した。最後に次回大会の引継ぎ式では、東京の吉川理事長から、埼玉工業塗装協同組合理事長の山田和宏氏に団体旗が渡された。
今回、製販装機の業界団体及び関係者が全国大会というひとつの大きな"傘"のもと集い、今後の塗料・塗装業界の発展に向けた確認の場ともなった。