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日塗装、沖縄でトップリーダー育成研修

日本塗装工業会(加藤憲利会長)は、「トップリーダー育成研修2025」を7月3日と4日の2日間、沖縄県那覇市の那覇地域職業訓練センターで実施した。全国から若手社長、取締役、営業担当者、現場代理人など、将来の幹部候補や期待の若手社員ら40人が参加。沖縄県での開催は初めてで、参加者が40名に達するのも2019年以来と近年にない活況を呈した。

 
初日、研修に先立ちあいさつに立った加藤会長=写真=は「本研修は、今回36 回目を迎えた。その間、数多くの受講生が巣立ち、現在、会社経営は勿論、業界のリーダーとして各方面で活躍している。今、我々は様々な課題に直面している。慢性的な職人不足、資機材の高騰、環境問題など数えるときりがない。個々の会社で学ぶだけでは限界がある。本研修では、模擬の塗装会社を設立し実務から経営者の立場まで、幅広い業務を体験してもらう。時には厳しい議論になるかもしれないが、実践を通じ自らを高める貴重な機会でもある。全国各地から同じ志を持った仲間が集い、熱い議論を交わす中で、きっと素晴らしいネットワークも構築されるのではないかと思う。この場でしか得られない貴重な経験をしっかりと胸に刻んでもらい、送り出してくれた社長に喜んでいただけるよう、それぞれの会社に持ち帰ってもらえればと切に願う」とあいさつした。
 
今回の研修は「A.営業・管理コース」22人、「B.現場コース」18人が合同で進め、部分的に専門的な内容に触れる際にはコース別で作業を行う形態をとった。第一日目の「アサーション研修」ではANAビジネスソリューションの山野朋美氏を講師に迎え、相手も自分も尊重しながら納得のいく結論を導くコミュニ ケーション手法「アサーション」について学習。さらに、自社をよりよくするために何を考え、どう行動すべきかをテーマにグループ討議・発表を行った。続いて、会社経営に必要な経費や管理費について具体例を交えながら説明を受け、利益を最大化するための方法を学び、見積書作成に向けて基本的な考え方を整理した。その後、減価償却・法人税についてと、化学物質のリスクアセスメントについての講義を受講。1日目終わりのレセプションは、ビーチサイドのバーベキュー施設で実施。沖縄県支部の協力でエイサー隊も登場、太鼓と三線に合わせ皆で踊る得難い経験をした。
 
2日目は、安定経営に欠かせない資金繰り・キャッシュフローの考え方を学び、毎月の収入・支出を計算。また、マンション修繕・橋梁塗替え工事のいずれかを選び、リスクアセスメントを反映した手順書を作成した。続いて、コンピテンシーと会社が求める人材について講義を受け、意見交換を行い、最後に、「研修を通じて得た気づき・今後の行動への活かし方」をテーマに討議し、全員が自己紹介や意気込みを含め発表した。

若手リーダー層が集まり記念撮影

 
2日間にわたった研修の結びの閉講式では、若宮昇平副会長から受講者全員に修了証が授与された。また、研修期間を通じてリーダーシップや協調性を発揮し、極めて優秀と認められた受講生2名に最優秀賞と優秀賞が授与された。
最優秀賞:森岡恋(大阪府支部・竹延)/優秀賞:立石竜基(東京支部・絆立興業)