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【人事】日塗工、新会長に毛利訓士氏

日本塗料工業会(若月雄一郎会長)は、5月20日午後4時から東京都千代田区紀尾井町のホテルニューオータニで、第40回定時総会後に懇親会を開いた。なお、今期は役員改選期に当たり、理事会において新体制が決定し、新会長に毛利訓士氏(関西ペイント)を選任した。


前任会長の若月雄一郎氏(日本ペイントホールディングス)から引き継ぎ、新会長に就任した毛利氏=写真=は、「先ほどの定時総会では、2024年度事業報告・決算と2025年度事業計画・予算に承認いただくとともに、2年に1度の役員の改選を行い、第21期の役員体制が決まった。その後に開催した理事会において、会長職を仰せつかるとともに、補佐していただく副会長として小坂理事と戸次理事が選任された。新たな体制で塗料業界の発展のために努力していくので、皆様のご協力をお願いしたい。若月前会長におかれては、1期2年間にわたり塗料業界の発展のためにご尽力いただき感謝申し上げる。遠田前副会長、春田前副会長におかれては、会長を支えていただいた」と述べた。
 
続いて「長期化しているロシア・ウクライナ情勢をはじめとするさまざまな国際的な紛争に加え、アメリカのトランプ大統領による新たな政策が国際社会に及ぼす影響は、為替、原材料価格等の先行きを益々不透明なものとなっている。また、国内においても、物流業界が抱える課題の影響、エネルギー・環境問題への取組み、労働安全・化学物質管理に関する規制強化への対応等、事業継続の根幹にも大きく影響を及ぼすような課題が山積している」とし、「国際的にも、国内的にも先行き不透明で、非常に難しい状況になってきているが、将来が決まっていないということは、ビジネスにとっては新たな挑戦への機会ともいえる。特に、ものづくりを行っている私共の業界にとっては、エネルギー・環境問題への対応や化学物質の規制強化も既成概念からの脱却に、背中を押して貰っていると受け止めることができると思う。過去からの慣習を整理し、良いものは伸ばし、時代の変化に対応しなくなったものは変えていくことによって、新たな可能性とチャンスに結び付けていくことができると考える」と話した。
 
「日本塗料工業会は、会員企業の皆様と共に、この厳しい状況を新たな可能性に変えていくため、共通の課題に取り組んでいく」と語り、次のように想いを述べ、協力を求めた。「まず、国内外の化学物質管理に関する速やかな情報の共有と対応を進める。また、セミナー、展示会等の充実を図り、新たな情報の吸収、異分野への情報発信の機会増大、多様な企業との接点の拡大に繋げていく。併せて、環境配慮型塗料等機能を付加した塗料の普及・需要の開拓についても努力する。更に、会員企業の安全環境問題への対応による従業員の安全対策を推進する。また、国際機関との連携強化による情報収集と国際協調の推進に努めていく。
 これらの対応については、日塗工だけで実現できるものではなく、会員各社の皆様の積極的な参加により実現できるものと考えている。多くの皆様の積極的な参加が、次の事業の拡大につながり、この業界の活力の源になると考えている」と述べた。
 
来賓のあいさつでは、経済産業省製造産業局大臣官房審議官の浦田秀行氏が述べ、乾杯の発声を小坂副会長が行い、懇親に入り、閉会のあいさつを戸次副会長が行い、散会した。

左から小坂伊知郎副会長、毛利訓士会長、戸次強副会長

 
選任された役付理事は次の通り。
▽会長(代表理事)=毛利訓士(関西ペイント) ▽副会長=小坂伊知郎(神東塗料)▽同=戸次強(カシュー)▽専務理事(業務執行理事)=児島與志夫▽常務理事=田桐澤根▽同=金地隆志