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【決算】中国塗料、売上増で利益も伸長

中国塗料(伊達健士社長)は5月9日、2025年3月期連結決算を発表した。売上高は前年同期比12・9%増の1311億5200万円、営業利益は同26・2%増の153億8100万円、経常利益は同26・5%増の164億8100万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同38・7%増の137億2100万円となった。
 
セグメント別の業績で日本は、船舶用塗料では、新造船および修繕船向けの需要が堅調に推移する中、製造コストに見合った販売価格の適正化を推進したこと等により、売上高が増加した。工業用塗料は、プラント向け重防食用塗料の販売が堅調に推移したほか、建材用塗料もわずかに増加に転じた。その結果、売上高は同5・3%増の427億2100万円となった。損益面では、原材料価格の上昇がみられる中、新造船向けで採算分岐点を下回る案件が残るものの、全体的に製造コストに見合った販売価格の適正化や高付加価値製品の拡販に努めたこと等により、セグメント利益は同13・5%増の22億2千万円となった。
 
中国は、船舶用塗料では、新造船向けでは販売価格の適正化を行ったことや出荷量が増加したことなどにより、売上高は増加した。修繕船向けでは、高付加価値製品の販売に努めたものの、当該期間における入渠船が減少したこともあり、売上高は横這いで推移した。工業用塗料は、港湾設備向けなど大型案件が寄与したことにより販売量が大幅に増加した。その結果、売上高は同7・3%増の213億9800万円となった。損益面では、販売価格の適正化を行ったものの、コンテナ用水系塗料の棚卸資産評価損等の影響により、セグメント利益は同12・6%減の27億1600万円となった。
 
韓国は、船舶用塗料では、主力の新造船向けで大手造船所におけるコンテナ船やタンカー等の大型案件の増加に伴い出荷量が大幅に増加したことや、環境対応型塗料の販売や製造コストに見合った販売価格の適正化を推進したほか、為替の影響も加わり、売上高は大幅に増加した。その結果、売上高は同63・7%増の194億4600万円となった。損益面では、製造コストに見合った販売価格の適正化を行ったこと等により、セグメント利益は同225・9%増の25億4300万円となった。
 
東南アジアは、船舶用塗料では、修繕船向けの需要が堅調に推移したことにより、販売量は増加した。工業用塗料では、主力のタイで民間事業による投資案件が増加する中で、重防食案件の受注が進んだことにより、販売は堅調に推移した。その結果、売上高は同10・9%増の189億4400万円となった。損益面では、製造コストに見合った販売価格の適正化を行ったこと等により、セグメント利益は同29・1%増の38億5100万円となった。
 
欧州・米国は、修繕船向けでは、当該期間における入渠船が減少したものの、燃費規制の対応を始めとする環境対応型製品の需要が高まる中で高付加価値製品の販売に注力したほか、製造コストに見合った販売価格の適正化を行ったこと等により売上高は増加した。また、プレジャーボート向けの販売も好調に推移した。その結果、売上高は同7・3%増の286億4200万円となった。損益面では、販売価格の適正化を行ったこと等により、セグメント利益は同31・9%増の21億9100万円となった。
 
2026年3月期の通期業績予想は、売上高が同1・4%増の1330億円、営業利益が同4・0%増の160億円、経常利益が同0・1%増の165億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同19・8%減の110億円を見込む。