アンデックス、「高機能素材WEEK 大阪」レポート_塗料・塗装設備展【大阪】
RX Japanは、5月14日から16日まで、大阪市住之江区のインテックス大阪において「高機能素材 Week 大阪」を開催した。ここでは、編集部が注目したブースを紹介する。
暑さ対策とゴミ・ブツ対策を同時に

暑さ対策とゴミブツ課題解決を図る循環型粉体塗装ブース「CAB ADC」
塗装・乾燥設備の専門メーカーとして半世紀の歴史を持つアンデックスが、開発品を含む塗装環境の新たなソリューションを提案した。塗装の課題に果敢に挑み塗装環境の改善に貢献していく。この6月より、職場における熱中症対策が事業者の義務となり、工業塗装の現場での安全対策として最重要項目となっている。アンデックスが提案する循環型粉体塗装ブース「CAB ADC」は、ブース内に小型エアコンも使用できるブースのため、スプレーマンの熱中症対策にもなる。常にきれいな空気を塗装室内に供給でき、循環型ブースのため冷えた空気を外に放出せず効率的にブースを冷却。局所排気装置のブースに比べ同条件の消費電力は1/6となるという。

粉体デモ塗装のイメージ。密閉もラインを通す半密閉も可能で冷房設置が可能
クローズ式の塗装ブースを導入することで、外部からのゴミ・ブツが侵入しにくく、塗膜の品質も保つ。なお、密閉した仕様だけでなく、ライン治具をブース内に流れる仕様にもできる。設計もユーザー工場に合わせたレイアウトに対応するため、ピット式や高床式等の調整も可能だ。
同社では、冷房機能付き塗装乾燥ブース「CAB-H2」も展開しており夏場の作業環境改善を使命としている。
溶剤除去に新たなソリューション
溶剤除去装置「SOLCOL」は開発品となるが、昨年の初展示から進化を遂げていた。これまで溶剤中毒を防ぐため溶剤を含んだ空気は屋外に排出することとなっている。そのため、排出するダクトの設置が困難な場所や、空調エネルギーのロス、設置への費用も大きな課題となっていた。

開発品の溶剤除去装置「SOLCOL」

塗装だけでなく、脱脂、接着、薬品作業等の溶剤を使用するさまざまなシーンで対応
同社が新たに提案しているのが、空気清浄機のように揮発した溶剤を同機により吸引し、フィルターで吸着。清浄な空気のみ排出するソリューションである。これであれば、狭い場所等での塗装作業でも移動式の装置を設置するだけで良いことになる。同装置は川崎重工業との共同開発で、航空機の組立作業における有機溶剤の安全管理が最初の目的としてあった。想定する使用用途としては、脱脂作業や接着作業、薬品作業等の溶剤を使用するさまざまなシーンで適用が可能だ。
今回クローズアップした製品以外にも塗装分野での課題に対して、解決方法を自社技術と他社技術をうまく取り込みながら新たなソリューションを生み出していた。