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グローバルコード、PEEKコーティングの低摩擦技術

RX Japanは、11月12日からの3日間、幕張メッセにおいて「第8回塗料・塗装設備展(コーティングジャパン)」を開催した。ここでは、編集部が注目した企業、製品サービスを「ブースレポート」として紹介する。

低摩擦ソリューション事業化に向けた連携

グローバルコードは、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を主成分とする「PEEKコーティング」(製品名:allive® PEEK coat)を展示会に出展した。同塗料は、韓国のZenith(ゼニス)社が開発した製品であり、グローバルコードは日本市場における代理店として販路拡大を担っている。
直近では、出光興産、ゼニス社、グローバルコードの3社によって、PEEKコーティングを活用した世界初の低摩擦ソリューションの事業化に向けた基本合意書が締結された。2035年までに事業規模100億円の達成を目標としており、今後の事業拡大が期待される。

低摩擦ソリューションの事業化を発表

コーティングジャパンでも、ブース中央にてPEEKコーティングの低摩擦性能が紹介された。PEEKコーティングは、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)コーティングと比較して摩擦係数が低く、DLC0.080.1であるのに対し、PEEK0.060.02とされている。
この性能を活かし、出光興産ではPEEKの特性を最大限に引き出す高機能潤滑剤の開発を進めており、自動車や産業機械の摺動部への応用を目指している。さらに、基材表面に耐熱性・耐摩耗性に優れたコーティングを施すことで、潤滑剤との相乗効果により摩擦のさらなる低減が可能となる。

PEEKコーティングの用途事例を紹介するブース

PEEKコーティングの多用途展開

PEEKコーティングは、摩擦低減性能に加え、連続使用温度が260℃と高い耐熱性を有し、酸・アルカリ・有機溶剤などに対する耐薬品性も備えている。化学的安定性に優れている点が評価されており、離型性を持つことからステンレスへの塗装も可能である。この特性により、食品製造ラインの金型へのテスト運用が増加しており、展示品にも同様の用途が多く見られた。

低摩擦体感装置により、PEEKコーティングの特長を提示

従来の金型では、一般的に1年未満で再塗装が必要とされていたが、PEEKコーティングを施した金型では、すでに1年半が経過しても塗膜の損傷が見られない。現在も耐久性試験が継続されており、量産体制の構築が進められている。これらの特性により、食品産業のみならず、調理家電や塗装治具などへの採用・試験も進行中である。

食品製造ラインでのテスト施工が増えている

グローバルコードは今後、PEEKコーティングの国内輸入および基材への施工を担う方針である。大量生産に備え、施工パートナーの拡充を計画している。同コーティングは焼成温度が350℃400℃と高いため、一般的な塗装事業者では対応可能な炉設備を有していない場合が多い。そのため、既に高温焼成設備を有するフッ素コーティング事業者が施工パートナーの候補となる見込みである。

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