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環境開発技研、水洗ブースの悪臭消滅 スラッジも半減

RX Japanは、11月12日からの3日間、幕張メッセにおいて「第8回塗料・塗装設備展(コーティングジャパン)」を開催した。ここでは、編集部が注目した企業、製品サービスを「ブースレポート」として紹介する。

わずかな電気代で、ブース水が生まれ変わる

環境開発技研が提案するオゾン式塗装ブース水浄化装置は、水洗ブースの悪臭・スラッジ・廃水処理といった慢性的な課題に対し、薬剤を使わず、月5,000円前後のわずかな電気代のみで水を循環再利用できる点が大きな特徴だ。オゾンの強力な酸化作用で有機物を分解し、殺菌・脱臭・脱色を同時に行うことで、作業環境の改善とランニングコスト削減も合わせて実現する。

新キャラクター「すらっじ~」を用いて、オゾン浄化の効果を紹介




 
導入実績は幅広い。水性塗料を用いる事務機器メーカーでは、毎月ドラム缶60本だったスラッジ廃棄が20本に減少。溶剤塗料を扱う塗装専業メーカーでは、年3回行っていたブース水の廃棄がゼロになった例もある。こうした実績を背景に、1台導入後に2台目・3台目へと追加採用するケースも増えている。

また、導入を検討する企業に対し現場で使用しているブース水を送付してもらい、社内で加速試験を行う提案も行っている。テスト結果と写真・サンプル水を返却し、効果を〝見える化する。担当者の立ち会いテストにも対応し、納得した上で導入へ進めるスタイルが信頼を呼んでいる。

薬剤不要、電気代のみの低運転コスト

同社は今回も実機を展示し、来場者が構造や操作性を直接見ることができるようにした。来場者の多くが抱える悩みは「臭い」「スラッジ」「水交換の頻度」といった共通課題であり、薬剤不要・電気代のみという運転コストの低さは、会場でも強い関心を集めた。

悪臭低減やスラッジ分解など、現場課題の改善効果について来場者へ丁寧に説明

「塗料・塗装設備展(コーティングジャパン)」東京には、第1回から連続出展しており、今年で8年目となる。継続出展により一定の浸透は得てきたものの、同社は「まだ十分に認知されているとは言えない」と語る。だからこそ展示会は、装置を〝見て・触れてもらえる貴重な接点であり、DMで誘導した顧客との初回面談の場としても大きな役割を果たしている。一方で、これまでの実績の積み上げにより大手企業からの引き合いは確実に増えており、今後は導入企業のグループ会社や関連拠点への横展開も視野に入れている。

 同社は、20261月には「サーテック」(表面改質展)へ出展し、オゾン技術を活用した新たな領域への挑戦を進める。連続出展で築いた信頼と成果を糧に、同社の技術は現場の水問題を根本から変えるソリューションとして、さらに存在感を高めていきそうだ。