ユカエンジニアリング、工場内循環処理のユニット型装置
RX Japanは、11月12日からの3日間、幕張メッセにおいて「第8回塗料・塗装設備展(コーティングジャパン)」を開催した。ここでは、編集部が注目した企業、製品サービスを「ブースレポート」として紹介する。
廃棄物を資源化するニーズに対応
モノづくりの現場において、生産活動に伴い発生する廃棄物は、従来、専門の廃棄物処理業者に引き渡して処理することが一般的であった。しかし近年、廃棄物を無害化または循環利用することで、工場内で処理する方式への関心が高まっている。
これは、廃棄物を‟素材“として再評価する考え方であり、処理コストの上昇に伴い、自社工場内で処理した方が利益を生む場合もある。加えて、環境処理装置に対する補助金制度が充実しており、対応しないことが損失につながるケースも見受けられる。
溶剤や水を工場内でリサイクルし、循環させるアプローチも注目されており、持続可能な生産体制の構築が求められている。
プラントサービスに強みのあるユカエンジニアリング
ユカエンジニアリングは、展示会「塗料・塗装設備展(コーティングジャパン東京)」において、ユニット型の溶剤回収装置および排水処理設備を提案した。ユニット型とは、JISやISO規格に基づくコンテナ寸法に合わせ、装置の機器や構成部品を標準化したものである。これにより、短納期・導入コストの削減・省スペース化が可能となり、従来の建設工事に伴うリスクを低減できる。具体的には、溶剤回収装置はJIS規格の1,100mmパレットサイズ、排水処理設備はISO規格の12フィートコンテナサイズで展開されており、国内輸送のみならず輸出にも有利に働く。
従来のプラント導入には2〜3年の計画期間を要していたが、同社のユニット型装置では約10カ月で対応可能である。設計期間は6カ月から1カ月に、工事も6カ月から半月程度に短縮されるため、工期の大幅減が見込める。導入事例においては、既存設備との接続のみであれば、金曜日に搬入し、月曜日には試運転を開始するケースも確認されている。これはユニット式の特性だろう。

ユニット型蒸留装置の模型(左)
投資回収と長期運用支援体制
建設費の高騰により、計画段階の予算と完工時の費用に乖離が生じることが一般的であったが、工期が短いことで資材価格が上昇する前に費用計上が可能となり、コストリスクの低減につながる。
導入コストを抑えられるだけでなく、排水処理設備によって放流していた水を循環利用することで、償却期間よりも早期に投資コストの回収が可能となる。補助金を活用したモデルケースでは、償却期間が7年とされる中、運用開始から3年で回収でき、残りの4年間は利益を生む構造となる。
ユカエンジニアリングは、親会社である大阪油化工業とともに、化学品の「分離」「精製」に強みを持ち、これまでに3,500品目の実績を積み重ねてきた。独自設計の装置は、30年以上にわたり性能を維持し続けるメンテナンス力を有しており、導入後の運用まで一貫したサポートが可能である。
さらに、他社で導入された装置についても、プラント事業者の廃業によりメンテナンスが困難になったという相談が増加しており、「既存装置のトラブルや更新についても、ぜひ一度相談してほしい」との呼びかけがなされている。

ユニット型排水処理設備

同展「塗料・塗装セミナー」でユニット型装置の提案を行う堀田社長
グローバルコード
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アンデックス
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栗田工業
サンコウ電子研究所
パーカーエンジニアリング
