WEB塗料報知|塗料・塗装、コーティング業界のプラットフォーム

日本化学会、IMChOに初めて派遣

日本化学会は「夢・化学‐21」委員会の支援の下、第59回国際メンデレーエフ化学オリンピック(IMChO)ブラジル大会へ初めて日本から2人の高校生を派遣した。 
 
IMChOは1967年から続く高校生に相当する中等教育課程の生徒を対象とした国際化学コンクール。本年は5月5日~13日の日程で、ブラジルの工業都市ベロ・オリゾンテのミナス・ジェライス連邦大学で、39カ国40チームが参加して開催された。大会では筆記試験が2日、実験課題が1日の計3日間の試験が行われた。

日本からの参加生徒とその成績は次の通り。
▽中尾仁(ナカオ ジン) /灘高等学校(兵庫県・ 3年 銅メダル)▽米倉瑛翔(ヨネクラ エイト)/ 栄光学園高等学校(神奈川県・3年 銅メダル)

左から中尾氏、米倉氏


国際メンデレーエフ化学オリンピックは、国際化学オリンピック(IChO、今年で57回)よりも難しい問題が出され、高校生の化学コンクールとしては最難関大会と位置づけられている。例年、9日間の開催日程の中で筆記試験と実験課題試験が行われ、上位10%の生徒に金メダル、次の20%に銀メダル、その次の30%に銅メダルが授与される。
 
IMChOへの日本からの生徒の派遣は、IChOに参加した当時からの一つの拡張目標であった。しかし、問題の難易度の高さ、参加国が多くなかったこと、日本語での受験ができなかったことなどの理由で、IChOへの参加継続とコンスタントな成績の獲得・維持を優先してきた。2025年のブラジル大会では、自国語での受験が可能と規則の変更も行われ、参加国は大きく増え、試験の難易度に懸念はあったが、日本からも韓国同様に初めて生徒を派遣した(引率・翻訳は永澤明埼玉大学名誉教)。
 
日本化学会は「高校生の化学のコンクールはいろいろな大会が催されています。各国の国際水準の化学素養を持つ人材育成・教育内容の更新の意向の表れと受け取ることができます。オリンピック小委員会は当面の間、参加国が最大のIChO、難易度が頂点のIMChO、さらに高校に直結する大学学部生の国際化学オリンピック(トルクメニスタン国際化学オリンピック;昨年度視察を実施)への派遣の実施を目標の三本柱に据えて、生徒たちが国際大会で鎬を削ることの支援を行っていきたいと考えています」と発信している。