ISO TC35国際会議、日塗工ホストで開催
2025 ISO TC35国際会議(東京会議)が6月11日から19日まで東京都渋谷区恵比寿の東京塗料会館で開かれ、塗料とワニスのテクニカルコミティー(TC35)の国内審議団体を務める日本塗料工業会がホストとなり、成功裡に終えた。
対面での海外参加国と参加者数はアメリカ(6人)、イギリス(8人)、スウェーデン(3人)、ノルウェー(2人)、オランダ(8人)、ケニア(1人)、ドイツ(9人)、フランス(4人)、デンマーク(3人)、中国(9人)、ベルギー(1人)の54人、同じく日本からはExpert(33人)、Observer(8人)の41人の延べ95人で各審議を進めた。当初想定したよりも多くの海外ゲストの対面参加があった。
事務局を務めた日本塗料工業会標準部部長の小川修氏は、次のように所感を述べている。
「開催されたすべての会議は、事前に配信されたアジェンダ(議事次第)に基づき滞りなく進めることができた。本東京会議では、特にTC35内の新しい取組みとして、6月13日午前に開かれたコーティングのメンテナンスに関する非公式会議AHG Maintenance (ISO 12944)において、インフラ構造物の耐久性維持のための補修が取り上げられ、SC12とSC14の連携強化、並びにSC14内に新しいWGを設けて活動することが決議されたのだが、この取組みは非常に重要な規格開発の活動となると予想され、日本としても初期の段階から積極的に関与していく必要があると感じた。また、6月16日午前と翌日には、鉄骨構造物の防食塗装システム/防食塗装システムによる鉄骨構造物の腐食防止及び室内性能試験方法のSC14/WG12(国内審議団体:日本塗料工業会)が開かれたほか、6月17日午前の、塗料及びワニスの一般試験方法/硬化後の塗料の性能のSC9/WG31(同)では、日本提案のTS9124(熱流計による日射侵入比の測定方法)がCD段階を省略し、DTS段階に進むことが推奨された」。
なお、6月19午後のTC35の冒頭、日本委員会の里隆幸委員長(大日本塗料社長)=写真上=から挨拶があったほか、日本の代表として長年ISO会議に参画してきた田邉弘往氏が、その功績により、ISO Excellence Awardを受賞した。

長年の功績により、ISO Excellence Awardを受賞した田邉弘往氏(右)
また、東京会議のホストを務めた日本塗料工業会に対しても国際議長のAndre van Linden氏(オランダ)から謝意があり、海外ゲストからも多くの感謝の言葉が寄せられた。

海外ゲスト・国内の関係者が揃って記念撮影
次回ISO TC35国際会議は、来年6月9日から18日にデンマーク・コペンハーゲンでの開催が予定されている。