WEB塗料報知|塗料・塗装、コーティング業界のプラットフォーム

【万博】鉄道・バスでアクセス充実

2025.06.17

観光経済新聞、東京交通新聞、塗料報知、農村ニュース、ハウジング・トリビューンの専門5紙誌は2025年度の連携企画第1弾として、4月13日に開幕した「大阪・関西万博」をテーマに取り上げた。各紙誌が見た万博、各業界の万博関連の動きをリポートする。

駅スタッフ増員で安全面強化

大阪・関西万博(大阪市・夢洲)の開幕から2カ月が経過し、来場者数は日に日に増えている。会場への交通アクセスの要は鉄道とバス。東ゲート前に直接乗り入れる大阪メトロ(「Osaka Metro」、大阪市高速電気軌道)・中央線の夢洲駅の1日当たり利用者数は、平均8万3000人を記録している。市内の各線は車体に万博公式キャラクター「ミャクミャク」の大きなステッカーを貼り、盛り上げている。
 
大阪メトロでは今後の来場者の増加に備え、円滑な輸送と安全対策の強化にさらに注力する。夢洲駅はもちろん、他の駅でも係員の増員や警備員の配置を進めている。来場者が安心して会場にたどり着けるよう、万博の成功に最大限貢献したい」と話す。
 
同社はまた、夢洲駅の利用状況について「開幕直後の平日と比べ、増加傾向にある。夜間券の入場時間繰り上げで、午後4時に合わせて来場するお客が増えている」と分析している。万博の開場時間は午前9時~午後10時。夜間券の入場時間は当初、午後5時だったが、5月7日から1時間前倒しされた。

5月31日の来場者数は過去最多を記録。夢洲駅も大混雑した

 
日本国際博覧会協会(万博協会)によると、1日の来場者数として最多だったのは5月31日の16万9923人(一般来場者)。駅にも人の波が押し寄せた。バスが行き来するのは西ゲート。大阪、新大阪、なんば、堺・堺東、桜島、尼崎(兵庫)などの主要駅との間を直通のシャトルバスが走り、鉄道と共に来場者の足を支えている。原則、予約制で、ゆったりと座って移動できる。運行会社は、大阪メトロ子会社の大阪シティバス、阪急バス、京阪バス、近鉄バス、南海バス、阪神バス、西日本ジェイアールバスなど。
 
最新鋭のEV(電気自動車)バスや自動運転バスの走行は、万博の見どころの一つ。車体のデザインはミャクミャクの鮮やかな赤と青の模様。アクセスバスだけでなく、世界最大級の木造建築物「大屋根リング」の下など、会場の外周を走る巡回バス「e Mover」(イームーバー、乗車料金1回400円・1日1000円)も好評を博している。遠足や観光ツアーなどの団体バスも西ゲートに停車する。
     
タクシー・ハイヤーは個別の移動需要に応えている。タクシー会社のタックン堺の乗務員、田中宏樹さん(39)は「営業収入の変化はあまり感じないが、乗客との会話の中で、『万博に行って良かった、楽しかった』との声がだんだん聞かれるようになった」と喜んでいる。
 
10月13日の閉幕まで、一般のドライバーによる日本版ライドシェア(自家用車活用事業)が府内全域・24時間体制で運行することが認められている。一時、開催期間中のタクシー不足が指摘されていたが、国土交通省近畿運輸局は「大阪市域交通圏では、5月19~25日の1週間のタクシー配車アプリのマッチング率が、ほとんどの時間帯で98%、99%だった。タクシーの不足は生じておらず、需要にしっかり応えられている」と見ている。「ここまで順調に推移しているので、残り4カ月、タクシー業界は安全に配慮しながら頑張ってほしい」とエールを送る。(東京交通新聞)