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マンション計画修繕施工協会、総会&議員連盟設立

マンション計画修繕施工協会(MKS.A、坂倉徹会長)は第17回定時総会を6月4日午後3時30分から東京都千代田区の大手町サンケイプラザで開催した。

あいさつに立った坂倉会長=写真=は、「現在、首都圏を中心に公正取引委員会による立ち入り調査が行われており、業界全体が厳しい状況にある。管理組合、管理会社、設計コンサル、施工業者がそれぞれ課題を抱え、透明性や公平性、競争性が問われている。民間取引であるがゆえに違反の線引きが曖昧で、通常の情報交換すら談合と見なされかねない。こうした状況に対応するため議員連盟の設立を進めており、明日、自民党本部で設立総会を開催する予定である。修繕費の高騰や積立金決定過程の不透明さなど業界の実態を正しく伝えるとともに、マンション登録制度創設などを通じ、正しい修繕の仕組みと制度の確立を目指す。今後、業界の信頼回復と健全な発展のため、皆様の理解と協力をお願いしたい」と述べた。 
 
議案事項はすべて承認された。事業計画は以下の通り。
▽総務委員会=働き方改革の上限規制から一年経過後の課題抽出と対応策を検討、外国人労働者の育成方法および雇用方策の検討/技術委員会=CN改修調査研究会より改修におけるCO2削減効果の結果報告、EV充電器や太陽光発電設備の設置による省エネ改修を含むCN改修手法を検討/教育研修委員会=昨年同様に1級建築施工管理技士検定対策第一次講座を6月、第二次検定対策講座を9月に実施/広報委員会=国土交通省関係ではマンション施策における各種委員会等に参画、業界としての意見を提言/広報事業=記者懇談会を実施、広告およびプレスリリース等の広報活動を積極的に展開/安全・品質管理委員会=MKS.A保証システムの改善にあたり、国交省認可大規模修繕かし保険の保証内容の改善について協議を行う。
 
役員改選では坂倉徹会長が再任した。会長および副会長は次の通り。
▽会長=坂倉徹(サカクラ)▽副会長=髙橋修身(建装工業)、小川恭史(日塗)、佐藤正道(大和)、金子信次郎(積水工業)
 
来賓の祝辞を、国土交通省不動産・建設経済局長の平田研氏、同住宅局長楠田幹人氏が述べ閉会した。

総会後表彰式が行われた。各受賞者は次の通り。
〈第11回フォトコンテスト〉
▽国土交通大臣賞=「夕日で洗浄」齊藤秀氏(埼玉県)/不動産・建設経済局長賞=「お花畑で大規模修繕」伊藤賢治 氏(兵庫県)/住宅局長賞=「おうちへ帰ろう」 服部将啓氏(愛知県)
〈第15回マンションクリエイティブリフォーム賞〉
▽クリエイティブリフォーム賞=みさと第一住宅(埼玉県)施工:京浜管鉄工業、設計:マンションライフパートナーズ/ザ・レジデンス一番町(宮城県)施工:建装工業、設計:三菱地所コミュニティ/若葉台第一住宅(埼玉県)施工:建装工業、設計:宮城設計一級建築士事務所

議員連盟の会長を務めることになった小泉農林水産大臣

 
その後、午後5時30分から懇親会が開かれた。坂倉会長のあいさつの後、農林水産大臣の小泉進次郎氏が「お米のことしか頭にないと思われている」と冗談を交えながら、「明日立ち上がる議員連盟にて会長を務めることになった。米政策だけでなく、マンション修繕管理においてもスピード感を持って全力で取り組んでいく」と決意を述べた。続いて多くの来賓の方々から祝辞があり、和やかに歓談した。

翌5日午前8時30分から、千代田区永田町の自民党本部にて「議員連盟」が設立、初回総会が開催された。本会の会長である小泉進次郎議員は多忙により欠席したが、メッセージを寄せ「修繕を巡る資金難、人材不足、居住者間の合意形成の難しさに対処するため、立法面から支援していきたい」と述べた。

自民党本部にて議員連盟初の総会


総会には、国土交通省住宅局やマンション計画修繕施工協会の関係者が出席。協会会長の坂倉氏は、13~15年ごとに行われる修繕工事の現状や、積立金不足、計画立案の困難さ、管理会社や設計コンサルの関与における利益相反の懸念、人手不足による価格上昇など、実務的課題を報告。また、段階増額方式による積立では将来的に資金が不足する可能性が高く、均等積立方式の導入が望ましいとの提案を示した。さらに、議員連盟は修繕計画や積立の妥当性を審査する「管理計画認定制度」や、全国的な管理組合データベースの整備といった政策的支援の必要性も訴えた。