4~6月期ロボット統計、受注・生産とも増
日本ロボット工業会(橋本康彦会長)は、「ロボット統計受注・生産・出荷実績2025年4~6月期(会員ベース)」を発表。受注額が対前年同期比24・2%増加の2234億円、生産額が同15・0%増加の2028億円となった。
受注状況は、引き続き電子部品実装機が強い伸びを示したほか、マニピュレーティングロボットも垂直多関節ロボットや水平多関節ロボットで回復傾向を示し、受注台数、受注額ともに4四半期連続の増加となった。
出荷実績をみると、国内向けに勢いはなく、自動車製造業向けを中心に主要業種で減少となった。用途別では、半導体用を除く主要用途で減少した。輸出は電子部品実装用が中国やその他のアジア地域でも大きく増加し、溶接用や半導体用も好調だったことで、アジア向け輸出額は四半期として過去最高となった。北米向けもマテハン用、溶接用中心に大きく回復し、トータルで増加となった。
一方、欧州向けは依然として低調で、前四半期同様に2020年の水準にまで落ち込んでいる。世界的な自動化需要によりロボット市場の着実な回復が期待される一方で、地政学的リスクや関税政策等を背景に需要環境は依然として不安定で、先行きの不透明感は当面続くとみられる。
塗装用途ロボットの国内出荷数は、71台で対前年同期比55・3%減、輸出は538台で同54・2%増、総出荷は609台と同19・9%増で輸出がけん引する形となった。
受注・生産・出荷の各状況は次の通り。
▽受注=受注台数4万8353台(前年同期比16・0%増、4四半期連続の増加)、受注額2234億円(同24・2%増、4四半期連続の増加)
▽生産=生産台数4万6156台(同18・1%増、2四半期連続の増加)、生産額2028億円(同15・0%増、3四半期連続の増加)
▽出荷=総出荷台数4万5240台(同19・8%増、2四半期連続の増加)、総出荷額2078億円(同24・5%増、2四半期連続の増加)/国内出荷台数7199台(同16・9%減、2四半期連続の減少)、国内出荷額369億円(同11・3%減、4四半期ぶりの減少)、輸出台数3万8041台(同30・7%増、2四半期連続の増加)、輸出額1708億円(同36・4%増、2四半期連続の増加)
▽国内出荷内訳:電気機械製造業向け=出荷台数2509台(同11・4%減、2四半期連続の減少)、出荷額120億円(同10・0%減、3四半期ぶりの減少)、自動車製造業向け=出荷台数1891台(同31・5%減、2四半期連続の減少)、出荷額99億円(同23・7%減、5四半期ぶりの減少)
▽輸出内訳:電子部品実装用=輸出台数4469台(同34・3%増、5四半期連続の増加)、輸出額772億円(同46・1%増、5四半期連続の増加)、溶接用=輸出台数8349台(同67・8%増、2四半期連続の増加)、輸出額216億円(同71・4%増、2四半期連続の増加)