【万博】アート×ペイントを楽しむ
現在開催されている大阪・関西万博の会場内の「Study:大阪関西国際芸術祭/EXPO PUBLIC ART」が、来場者を楽しませている。同アートは、万博会場13カ所に野外彫刻や壁画・ミューラルといったパブリックアートを展示。万博最終日の10月13日まで自由に観ることができる。

BAKIBAKI氏の作品
塗料・塗装に関連したアート作品を以下紹介する。壁画では、国内外でライブペインティングやワークショップを展開しているBAKIBAKI氏が、「希望の系譜」というテーマで作品を展示している。同作品は、1970に出版された「奇想の系譜」によって、前衛画家として再評価された歌川国芳の『讃岐院眷属をして為朝をすくふ図』に着想を得て描かれた。
伝統的な和柄を「BAKI柄」と結び付けて融合させた大作(高さ4506×幅12230㎜)であり、大阪湾を見下す夢洲の西側に描かれている。「BAKI柄」は日本古来の文様をアップデートした独特なデザインで、その伝統とサブカルチャーを融合した壁画は国内外のライブペイントやワークショップで展開してきた。
BAKIBAKI氏が後世に伝えたいことは、浮世絵からつながる現代のマンガや大衆芸術という流れを、壁画と融合させ、大阪を中心に発展させていきたいという願いである。色材は大信ペイント、ターナー色彩が水性塗料などを提供。施工は杉岡工務店、ノットコーポレーションが行った。

COOK氏の作品
COOK氏は、壁画に描かれた作品のコンセプトを「万博」とした。デザインの中にある虹はSDGsを表現している。キャラクターの色が全部違うのは、人種をイメージ。ミャクミャクを中心に世界の人達と仲良くし、世界が平和になるイメージを描いた。壁画の花はさまざまな国の花で、花に留まる蝶は、美しい未来をイメージしている。「WORLD EXPO 2025」の文字を入れたことで、一目で万博のデザインだと、誰が見てもわかる壁画にした。色材として塗料スプレーと一般塗料を使用。壁画のサイズは高さ1万×幅5万7000㎜。

森万里子氏の作品
森万里子氏の作品名は「CycloidⅢ」である。サイクロイドの複雑で繊細な形が絡み合って広がっていくアルミニウム製の彫刻作品は、パールのように輝く塗料で覆われており、永遠の回転を感じさせる躍動感にあふれている。「宇宙は誕生や消滅を繰り返し、始まりもなければ終わりもない。またパラレルに空間が存在する可能性すらある」という概念を、メビウスの輪のような形状を持つ作品として可視化された、と作品を説明している。使用された材料はアルミニウム、ラッカー塗料ほか。