日本ペイント、重防食用塗料がNETISに登録
日本ペイントは10月7日、同社の重防食塗料「ダンジオーラE下塗」が、9月30日に国土交通省の新技術情報提供システム「NETIS」に登録されたと発表した(登録番号:CG‐250006‐A)。
一般的に鋼構造物の防食性向上には素地調整時にさびを除去しきることが重要である。工場やプラント設備では、火気厳禁など電動工具が使用できない場合や、構造上入り組んだ箇所も多く、十分にさびを除去できず、塗り替え後も早期にさびが発生する課題がある。また、沿岸部では海からの塩分等の腐食要因により、早期に腐食が進行し、保全のためには高頻度で塗り替え作業を行う必要がある。

ダンジオーラE下塗
同社では、これら塗り替え周期延長へのニーズの高まりに応え、2024年10月に同製品を発売した。同製品の適用下地は、鉄、メッキ、ステンレス、ガルバリウム鋼板。高遮断性により腐食因子の侵入を抑制するとともに、「さび転換機能」により、さび面に塗装した場合でも迅速に安定構造へと変化させ、優れた防食性を発揮する。
また、素地調整においては、従来仕様の3倍まで残存塩分を許容できるため、水洗いの作業時間削減につながる。さらに、さび面への塗装が可能なため、素地調整にかかる作業時間も大幅に短縮する。
これらの特長を持つ同製品は、北九州市の国指定重要文化財・若戸大橋の補修工事(吊橋部橋梁補修工事ほか2件)にも採用されている。
NETISでは、同製品の高遮断性およびさび面での高防食性による素地調整の簡易化、防食品質向上によるライフサイクルコストの低減、施工時の制約条件の減少などが認められ、登録に至った。
今回の登録技術を採用することで、公共工事において技術提案時の評価点や工事成績評定点への加点が期待される。また、同製品を通じて、塗り替え周期の延長および工期短縮にも貢献する。