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アンデックス、塗装工程省エネ化で脱炭素

自動車製造工程のCO2排出量で、塗装分野は25%と高い割合を占めており、塗装工程の脱炭素化が急がれている。こうした中、アンデックスと中部電力ミライズは塗装工程の省エネ化を図ることで脱炭素化を構想。アンデックスの塗装ブース、中部電力ミライズの熱源システムという互いのノウハウを生かす形でウエットエアー式空調機「WETCOMⅡ」を開発した。

ウエットエアー空調機「WETCOMⅡ」のメカニズム

塗装ブースの空調は、温度調整の容易さや低イニシャルコスト、省スペースの点から蒸気式が主流だ。しかし、効率が悪くCO2の排出量が多いという課題を抱えている。一方、蒸気を使用しない気化式・水噴霧式は、ヒートポンプを熱源としているため、蒸気式よりエネルギー効率に優れている。しかし、冬場の低温低湿な空気への加湿性能が劣り、制御も安定しない課題があった。

各方式との経済性・環境性比較

カーボンニュートラルの実現には、省エネ性と制御性・加湿性に優れたシステムが必要だが、WETCOMⅡは空気を大量の冷温水に直接接触させることで、空間における温度湿度を一定に保つことを実現したものである。
 
空調機に取り込まれた空気は、散水ノズルより噴霧された循環水と熱交換し冷却除湿、または加温加湿され、任意の温度の飽和空気(相対湿度100%)になる。その後、吹き出し設定温度まで昇温され室内に供給される。
 
これにより、年間を通じて高精度に安定した温湿度の空気を供給。夏場は急激な温湿度変化でも吹出温湿度が安定し、冬場は低温低湿な外気条件でも十分な加湿が可能。さらに、中間期は冷暖が切り替わる外気条件でも吹出温湿度が安定している。
 
ヒートポンプの活用でランニングコスト並びにCO2削減や維持管理の省力化に貢献。メンテナンス性にも優れ、ボイラー・蒸気配管部品・バーナー等の大掛かりなメンテナンスは不要で、ヒートポンプのメンテナンスはチラー同程度である。蒸気式と比較してランニングコスト、CO2排出量ともに71%削減を達成している。
 
℡0848・46・3711(アンデックス)、 ℡052・740・6928(中部電力ミライズ)