ナトコ、トウペを完全子会社化 生産体制を再構築、売上300億円へ
ナトコは、日本ゼオンの100%子会社であるトウペの全株式を取得し完全子会社化すると、5月11日に発表した。取得価額は21億9千万円、株式譲渡実行日は、2026年11月2日を予定している。なお、トウペのアクリルゴム事業は譲渡対象外であり、売主の日本ゼオンが会社分割を実施し、同傘下の新設立会社に移設する予定である。ナトコは本取引により、課題であった生産体制の抜本的な再構築と、事業領域の拡大、物流・調色業務の効率化を一気に加速させる。
本取引には、ナトコの生産体制の再構築を目的にした側面が強い。同社みよし本社工場は、竣工後50~60年程度経過しており、老朽化対策が課題となっていた。同工場には生産拡大の余力スペースがなく、また近隣での用地確保も困難な状況であった。こうした課題がある中、トウペ三重工場(約9万6千㎡)、茨城工場(約7万㎡)は広大な敷地を有しており、ナトコの類似製品も製造しているため、生産体制の再構築が可能と判断した。また、トウペ本社(大阪・堺市)、九州工場(福岡・糟屋郡)、北海道営業所(北広島市)には、倉庫・調色設備を有しており、物流や調色業務の効率化に寄与できると、株式取得の検討材料にもなっていた。
ナトコは工業用塗料事業が主であるが、トウペは工業用に加え、建築、防食、道路、皮革と幅広く展開しており、事業重複が少ない点も同取引の狙いである。工業分野においても、粉体についてはナトコが群馬製造、トウペは三重製造と、エリア補完が可能となる。建材向け塗料については、ナトコが水系、トウペは溶剤系主体と、得意分野が相違である点でも相互補完が図れるとのこと。
同株式譲渡により、売上を単純合算すると301億7100万(ナトコ222億7500万円、トウペ78億9600万)となり、2030ビジョンで掲げた売上高300億円を前倒しで達成することになる。一方で、一時的な収益性の低下は見込まれるものの、適切な投資の実行により調整を図るとしている。
ナトコは、中期計画でM&A等戦略投資、成長投資、更新投資60億円超を掲げており、今回の取引により、M&A投資は一巡することになる。同社は「トウペの技術力と当社の技術を融合し、事業の深化と進化にチャレンジする」とコメント、技術融合による期待シナジーを最大化し、次なる成長ステージを目指す。
【株式取得の概要】
譲渡対象事業=トウペの塗料事業/取得対象株式=日本ゼオンから会社分割後のトウペ全株式/取得価額21億9千万円/資金調達=全額手元資金充当/取引完了日=2026年11月2日を予定
