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【決算】アネスト岩田、売上・利益共に減少

アネスト岩田(三好栄祐社長)は8月8日、2026年3月期第1四半期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比3・2%減の120億8800万円、営業利益は同8・7%減の9億2900万円、経常利益は同22・8%減の13億1500万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同14・9%減の8億9500万円となった。
 
セグメント別の業績では、日本は、圧縮機製品では前連結会計年度に実施した価格改定の効果などにより、小形圧縮機の売上が拡大した。真空機器製品では、依然として半導体製造関連装置メーカ向け真空ポンプの販売が伸び悩んでいることから、売上が減少した。塗装機器製品では、自動車補修市場向けスプレーガンの販売は堅調に推移したが、汎用塗装市場向けの売上が減少した。塗装設備製品では、同四半期連結累計期間に納入時期を迎える案件が少なく売上が減少したが、受注残高は前年同期と比較して増加した。その他事業では、DIY向け空圧機器の販売やECサイトでの販売などのコンシューマービジネスを子会社へ移管したことにより、当該子会社の収益を含むその他事業全体の売上が増加した。また、同子会社における圧縮機などの販路開拓や大手通販サイト向けの拡販準備の進展などの収益拡大策も進捗した。これらの結果、売上高は同4・0%増の57億8200万円、セグメント利益は同52・7%減の2億6千万円となった。
 
欧州は、圧縮機製品では、OEM先の需要が回復に転じたことにより、オイルフリー圧縮機の売上が増加した。塗装機器製品では、自動車補修市場向けスプレーガンの売上は減少したが、エアーブラシの需要拡大が下支えし、総じて売上は微増となった。これらの結果、売上高は同5・0%減の24億8千万円、セグメント利益は同14・9%減の2億3800万円となった。
 
米州は、圧縮機製品ではアメリカの関係会社において医療および車両搭載市場向けオイルフリー圧縮機の在庫調整に伴い、一時的に売上が減少した。真空機器製品では、前年同期比で横ばいとなった。塗装機器製品では、アメリカにおけるスプレーガンの売上は増加したが、エアーブラシは販路見直しの影響により販売が縮小し、総じて売上は減少した。これらの結果、売上高は同8・5%減の17億3800万円、セグメント利益は同23・1%減の1億9100万円となった。
 
中国は、圧縮機製品では中国国内需要の伸び悩みに加えて、アメリカの通商政策に対する懸念を背景とした設備投資意欲の減退などから、主に欧州市場向け中形圧縮機の輸出販売が縮小したことで売上は減少した。真空機器製品では、リチウムイオン電池製造関連装置向け真空ポンプの需要が縮小したことにより、売上は減少した。塗装機器製品では、管理体制の変更に伴う営業活動の改善が奏功し、スプレーガンを中心に売上は増加した。塗装設備製品では、同四半期連結累計期間に納入時期を迎える案件が少なく売上が減少したが、受注残高は前年同期と比較して増加した。これらの結果、売上高は同15・0%減の25億2900万円、セグメント利益は同25・3%減の1億2400万円となった。
 
その他は、圧縮機製品ではインドでの売上は減少したものの、東南アジアでは営業体制の強化や新規顧客開拓の進展により、タイを中心に売上が増加した。塗装機器製品では、東南アジアの子会社におけるマーケティング活動の強化により、主にタイを中心として売上が増加した。塗装設備製品では、タイにおいて自動車部品向け塗装設備を納入したことなどにより、売上が増加した。なお、グループ全体における人員配置を見直した結果、需要の高いインドにおいて受注案件数が増加した。これらの結果、売上高は同4・3%増の22億4200万円、セグメント利益は同25・7%増の3億100万円となった。