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大日本塗料、物流に中継輸送を導入

大日本塗料は、鈴与カーゴネット(静岡・澤入哲雄社長)と協業で、物流輸送における懸念されるドライバー不足や長時間労働の課題に対応するため、8月5日から長距離輸送に中継輸送を導入した。これにより、ドライバーの負担軽減と輸送効率の向上、さらにCO2排出量の削減を実現し、持続可能な物流体制を構築する。

中継輸送のイメージ

 
大日本塗料では、ホワイト物流推進運動に賛同し、持続可能な物流体制への転換を進めている。その中で鈴与カーゴネットからの提案を受け、ホワイト物流の推進の連携を実施し、幹線輸送に中継輸送を導入した。従来、栃木~大阪間を通しで運行していたものを、今後は鈴与カーゴネットの静岡・名古屋などの拠点を中継地点として活用。これにより、幹線の分担と拠点活用による運行の最適化を図った。ドライバーの労働環境・輸送効率・環境負荷で具体的な効果を見込んでいる。
 
労働環境面では、従来の長距離輸送ルートでは、法令で定められた労働時間や休憩を確保すると、1日で業務を終えることが困難であった。今回、中継拠点で荷物を引き継ぐ輸送を導入したことで、長距離輸送でもドライバーが日帰りで運行できる体制を実現。働きやすい環境づくりへの貢献と、労働時間規制への対応も実現した。
 
輸送効率の面では、従来の10tトラックでは、中継輸送に当たりドライバーが荷物の積み替えを行う必要があった。今回、導入の中継輸送では、20tトレーラー使用で荷台を切り離すことができ、中継拠点でドライバーが交代する際も荷物の積み下ろしが不要となり、交代の待ち時間や積み替え作業を大幅に削減。さらに、1回当たりの輸送量が2倍になり、輸送効率が向上する。
 
環境負荷では、1回の輸送で運べる量が倍増するため、往復回数を減らすことができ、CO2排出量の削減につながる。同じ荷物量を栃木~大阪で輸送した場合、従来の体制では1310kg‐CO2を排出していたが、新体制では809㎏‐CO2と排出量を約38%削減している。
 
大日本塗料では、物流体制の改善を進める上で、同業他社との共同物流についても積極的に取り組んでいく考えを示している。