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【決算】ランクセス 、売上12・6%減で折返し

ランクセス日本法人は、ドイツ本社役員来日に伴い、記者説明会を8月19日、東京都千代田区大手町の大手町三井ホールで開いた。 

プレゼンを行うフーベルト・フィンク氏


プレゼンテーションに登壇したランクセスAG経営委員会メンバーのフーベルト・フィンク氏は、プレゼンテーションの冒頭で、「ここ数年、特殊化学品に特化し、特に中規模市場におけるリーディングカンパニーとしての位置づけを強化してきた。欧州での確固たる事業基盤に加え、米国、アジアで市場を拡大している。現在は、『安全』と『サステイナブル』という2つのキーターゲットを念頭に活動している」と、現在の事業戦略を述べた。
 
その後、2025年第2四半期の業績報告に移り、同期の売上高は前年同期比12・6%減の14億7千万ユーロ、特別項目を除くEBITDAは前年同期比17・1%減の1億5千万ユーロだった。なお、フリーキャッシュフローは3100万ユーロの黒字としている。
 
業績についてフーベルト・フィンク氏は、「需要低迷とウレタン事業売却による利益減少」とし、「中国企業が安い値段で輸出を強化し競争が激しい。ただし、中国製品とは差別化ができている」とコメントした。今後については、「地政学リスクが予想できない中でも、需要環境が上向けば、業績や財務諸表が改善していくだろう」と述べた。なお、2027年末までに生産拠点を最適化させ、5千万ユーロのコスト削減を発表した。
 
同日午後には、同会場で「ランクセスソリューションズデー東京」を開催。約150人の日本の顧客とパートナー向けに、6つの主要テーマによる製品展示会とテクニカルセミナーを実施した。「建設材料および塗装・コーティング」では、無機顔料のEPD(環境製品宣言)対応製品を紹介。国土交通省が推進する「建築物のライフサイクルカーボンの算定・評価等を促進する制度」におけるCO2排出量に換算して評価する制度にも対応するという。