WEB塗料報知|塗料・塗装、コーティング業界のプラットフォーム

豊田合成、塗装ソリューションを発表

自動車部品の豊田合成(鰺坂克己社長)は、塗装技術を軸とした新たな加飾ソリューションとして、「光透過技術」および「メテオコート」の2技術を8月に相次いで発表した。いずれも外装部品の意匠性向上と機能性の両立を目指したもので、次世代モビリティの設計自由度を高める技術として注目される。
 
光透過技術は、塗装面の裏側からLEDなどの光を透過させることで、非点灯時には高品位な外観を維持し、点灯時には明瞭なサイン表示を可能にするもの。従来のように穴を設けることなく、塗料の配合設計や膜厚制御により光透過性を確保することで、外観品質を損なわずに機能性を付加する。

メタリック調塗装面へのミリ波透過

 
さらに、メタリック調塗装面においてもミリ波レーダーの透過を可能にする技術を併せて開発。これにより、先進運転支援システム(ADAS)との両立が可能となり、外装部品の統一感あるデザインが実現される。
 
一方、メテオコートは、塗料の粘度調整により表面に凹凸を形成することで、ゴツゴツとした質感を演出する塗装技術。傷が目立ちにくく、未舗装路などの過酷な環境下でも外観を維持できる耐久性を備える。粒のサイズやカラーのバリエーションにも対応可能で、個性を重視するユーザー層への訴求力が高い。
 
本技術は、2025年のアジアクロスカントリーラリー(AXCR)に出場したレース車両に採用され、実走行環境下での性能が確認された。今後は市販車への展開も視野に入れている。